10月1日に終了したNHK朝ドラ『とと姉ちゃん』の平均視聴率が今世紀第3位となる22.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録したが、その勢いを受けて3日に始まった『べっぴんさん』も、初回平均視聴率21.6%と上々の滑り出し見せた。『あまちゃん』『ごちそうさん』『花子とアン』『マッサン』『まれ』『あさが来た』『とと姉ちゃん』に続いて8作連続の初回20%超えとなったが、民放各局の連ドラが視聴率低迷にあえぐ中、なぜ朝ドラだけはこれほどまで負け知らずなのか? テレビ誌ライターは、「NHKは完全に勝利の方程式を確立しています」という。
「『昭和の初めに生まれたヒロイン』が『戦争前後にたくましく生き』て、外で働く女性が少なかった時代に『偏見と闘い』ながら、『持ち前の天真爛漫さでトラブルに対峙』。最後は理解されて、『仕事で大成功を遂げる』というのが基本フォーマット。これに、最近は『実在のモデルがいる』というのも加えられています。さらにトッピングとしてヒロインを支えるイケメンと、はっちゃけた個性的なキャラをまぶしておけば一丁上がり。キャストはポジションだけ固定し、顔だけすげ替えているだけで、ある程度の視聴率は確約されているというわけです」(同)
ターゲットを中高年の女性に絞り、彼女たちのツボをがっちり押さえる手法がハマった形だが、そのやり方にも破綻の兆しが見え始めているという。
「前作の『とと姉ちゃん』は、高視聴率のわりにアンチが多かった。時間軸がわかりにくく、説明ゼリフばかり。『ヒロインは特に努力も苦労もせず、時に傲慢な上から目線が鼻につく』という意見も多かった。モチーフとなった実在の人物とヒロイン像がかけ離れていることにも、失望の声が上がりました」(スポーツ紙記者)
『べっぴんさん』の脚本は、羽鳥慎一の妻の渡辺千穂氏。昨年放送された『戦う!書店ガール』(フジテレビ系)は視聴率大爆死の末、打ち切りになり、主演のAKB48・渡辺麻友にとって黒歴史作品となっている。はたして、受け継がれてきた「必勝法」のバトンを、次作につなげることができるのだろうか?