ダイハツ「ミライース」一部改良 「低燃費・低価格」路線さらに進化 

ダイハツ工業は19日、軽自動車「ミライース」を一部改良して発売した。ガソリン車トップとなるガソリン1リットル当たり33.4キロの燃費を達成しながら、価格は前モデルより5万円安い74万5000円からとし、「低燃費・低価格」を一層進化させた。月9000台の販売を目指す。
 国内ではハイブリッド車(HV)による燃費競争が過熱しているが、近年はHVの半値以下の軽の燃費性能も大幅に向上しており、価格も購入を決める大きな要因となりそうだ。
 ミライースは昨年12月に発売した軽「ムーヴ」で採用した低燃費技術を活用。前モデルの30.0キロより燃費性能を11%向上させながら、部品調達を含めたコスト削減で、前モデルよりも5万円も価格を下げた。開発責任者の中島雅之チーフエンジニアは「一部改良時点での値下げは視野に入れていた。ミライースは低燃費、低価格でなければならないという使命がある」と力を込める。
 先行車に衝突する危険性があると感知したとき、自動的に急ブレーキをかける機能を搭載したモデルについても、94万円からと100万円を切る価格に設定した。同じく自動ブレーキを搭載しているスズキの軽「ワゴンR」(116万250円から)より大幅に安い。中島氏は「軽ユーザーにとって100万円は大きな分岐点。100万円以下で自動ブレーキを搭載できた意義は大きい」と狙いを説明する。
 一方で、軽の“高級路線”を強める傾向もある。ホンダの軽「N-ONE(エヌワン)」は最低価格が115万円からだが、上級モデル「エヌワンプレミアム」(136万円から)の販売台数が全体の4割強を占めている。室内空間の広さが人気の日産自動車の軽「デイズ」も、「見た目の高級感がある上級モデルの方が売れている」(日産販売店)という。軽は小型車からの乗り換えも増えており、ユーザーの嗜好(しこう)も多様化しているようだ。

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