ダテバイク導入1年 登録8000人超

 仙台市が有料で自転車を貸し出すコミュニティーサイクル事業「DATE BIKE(ダテバイク)」は、昨年3月中旬のサービス開始から1年が経過した。約600人でスタートした利用登録者は、ことし3月末現在で8072人に増加し、好調に推移している。市は専用駐輪場を増やして利便性を高め、環境に優しい自転車利用を加速させる方針だ。
 ダテバイクは、電動アシスト付き自転車を「1時間100円」「月額1500円」などの基本料金で利用する仕組み。
 市の委託で運営するNTTドコモ(東京)によると、ダテバイクは3月末までの1年余りで3万7857回利用された。1日当たり約100回。3月は、1日当たりの利用回数が過去最高の平均約150回に上った。
 同社は「順調に浸透してきた。自転車シーズンの本格化とともに、さらに増えそうだ」(ライフサポートビジネス推進部)と期待する。
 導入当初は、代金のクレジットカード払いをはじめ、手続きの煩わしさから伸び悩んでいた。好転したのは昨年9月以降。プロ野球東北楽天の本拠地楽天Koboスタジアム宮城(コボスタ宮城)に専用駐輪場が新設され、観戦客らから「ちょっと移動するときに便利」と注目度が上がった。
 事業は市中心部の商業ビルや官公庁前など専用駐輪場12カ所、自転車100台で始まった。順次拡大し、現在は24カ所の計145台が街中の買い物や仕事の足として活用されている。どこの駐輪場でも返却できるのが特徴。返却が特定の駐輪場に集中した場合、委託業者が回収して他に移す。
 自転車本体に通信機能や衛星利用測位システム(GPS)を搭載して利用管理するため、施錠管理機能を備えた特別な駐輪設備は不要。簡単な工事で専用駐輪場を整備できるので、さらに設置場所を増やす予定だ。
 市自転車交通安全課の中村喜陽課長は「ダテバイクが定着すれば、街中の魅力発掘やクルマの流入抑制につながる。来年開業予定の地下鉄東西線と連動した利用もできそうだ」と語った。

タイトルとURLをコピーしました