午前0時以降の営業を原則禁じてきたダンスの営業規制を見直す風俗営業法改正案の全容が15日、分かった。10ルクス超の明るさを保つナイトクラブは「風俗営業」の規制対象から除外し、許可制で午前0時以降の営業を認める。2020年東京五輪の開催をにらみ、若者に人気のナイトクラブの深夜営業解禁で外国人旅行者の集客増も狙う。ダンスの営業規制見直しは、安倍晋三首相が重要課題に位置付ける規制改革の一環として行うもので、政府は改正案を月内に閣議決定し、今国会に提出する方針だ。
改正案では、店内の明るさが休憩中の映画館と同程度とされる10ルクス超のナイトクラブはすべて「風俗営業」から除外。このうち、アルコールを提供し、午前0時以降も営業するクラブは、新設の「特定遊興飲食店営業」に分類。都道府県公安委員会の許可を受けて営業できるようにする。
風俗営業から除外されたナイトクラブのうち、アルコールを提供しないクラブや午前0時以降に営業しないクラブは通常の「飲食店営業」とする。一部が風俗営業として規制されてきたダンス教室も「風俗上の問題はない」(政府関係者)として全面解禁する。
ただ、特定遊興飲食店営業となるナイトクラブについては、周囲への騒音や未成年者の飲酒のほか、薬物売買の温床になるなどの懸念が指摘されている。このため、18歳未満の若者は午後10時以降の入店を禁止し、条例で営業地域や営業時間を制限することができるようにする。
ダンス営業の規制緩和をめぐっては、超党派の「ダンス文化推進議員連盟」が先の通常国会でナイトクラブの深夜営業を解禁する風営法改正案をまとめた。しかし、自民党内で異論が多く出て、提出を断念した経緯がある。