チェキ、Gショック…アジアでブーム再燃

かつて国内でブームとなった個性的な商品が、アジアを中心に海外で再び注目を集めている。
 富士フイルムは15日、海外で評判になっているインスタントカメラ「チェキ」の関連商品を発表したほか、カシオ計算機の腕時計「Gショック」も新興国などで爆発的な人気を集めており、ともに今年度の販売がこれまでで最高となる勢いだ。
 富士フイルムが発表した新商品は、スマートフォンで撮影した画像を無線で送信し、チェキのフィルムにプリントできる「スマホdeチェキ」(想定価格1万9800円)。2月15日の国内発売に先駆けて、旧正月を控えた巨大市場・中国で販売を始めた。
 1998年に発売したチェキは女子高生を中心に人気を集め、2002年に100万台を販売した。画像を送受信できるカメラ付き携帯電話に押され、04年に10万台まで落ち込んだ。その後、チェキを使うシーンが07年に韓国のテレビドラマで放映され、アジア各地で話題となった。
 「その場でプリントできるチェキは、デジカメの利用者には新鮮だった」(中村 祥敬 ( よしたか ) ・イメージング事業部統括マネージャー)ようで、13年度の販売台数は、海外市場が 牽引 ( けんいん ) し、これまでで最高の220万台に上る見通しだ。販売先は、日本を含む東アジアが5割を占め、中国の販売実績は前期比3割増という。
 スマホと融合したサービスが提供できる新商品の投入で、アジアの成長市場を取り込みたい考えだ。
 頑丈さを売りに1990年代後半にブームとなったGショックは、カシオが08年から世界35都市で開催した人気アーティストなどを招いた販売促進イベントが人気再燃のきっかけ。中国やタイなどの新興国ではイベントの様子やアーティストが着けているモデルがインターネットや口コミで広がった。13年度は最高の650万個の出荷を見込む。
 ◇「たまごっち」欧米進出検討
 一方、海外での反響に呼応して、昨年末から英国とスペインでテスト販売を始めたのが、バンダイの携帯型ゲーム機「たまごっち」だ。英語の専用ホームページを設け、販売動向を見ながら欧州各国や米国での販売も検討中だ。(森田将孝、武石将弘)

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