ツイッターなどSNS上で散見される、チケットやグッズの取引。見たい舞台のチケットが取れなかった人にとっては、「急に用事が入って行けなくなった」などの事情でチケットを譲ってくれる人は救いの神に見えるかもしれません。しかし最近はそのチケット取引を悪用して、性犯罪につながる様な行動を起こす人が目撃されています。
つい先日「注意喚起」としてネットに投稿されたケースでみていくと、この場合の投稿者(チケットを譲渡する側)は女性名。アカウントはすでに削除されていますが、削除前の投稿では譲渡するチケットの公演名、日付とともに、DMでの取引が呼びかけられていました。また、譲渡を提示しているチケットは1枚だけでなく、複数の公演におよび、金額条件はある公演の場合は「【無料譲渡】」、別の公演では「条件次第では無料」と記されていました。
そしていざDMでのやりとりが始まると、譲渡条件として自分の彼氏との性交渉が提示されました。「自分の彼氏と性的な交渉を持って欲しい」「別れたいけど別れきれないので浮気を彼氏に持ち掛けて欲しい」など。
DMに添付してくるチケット画面も、日付や枚数など記載がないものしか送ってこないなど、明らかにチケットを所有しているという証拠のない画面を送っており、チケットの実物写真を要求するとそれっきり音信不通となり、返事が来なくなったそうです。
こうしたチケット詐欺から性犯罪となりえる手口は、若手俳優が多く出演する人気舞台や人気の歌い手系、アイドル系など、あらゆる人気チケットで見られており、「友達が某アイドルグループのチケット譲ってくれるって言われて、手渡し条件だったから行ったら男で今からホテルに行ってくれたらチケットタダであげると言われた(そのまま逃げてきたらしい)って事があった」「これと同じような内容の取引を、○○○○譲渡の際に持ちかけられました。(お断りしました)」「やはり性を要求する様な内容で似たようなのやり取りを○○○好きの知り合いから見せてもらったことがあります」と、同様の手口に遭ったという報告もツイッター上に多数上がっています。
チケットの当選通知メールの画像は、以前から当選の嬉しさあまりにツイッターなどに画像をアップしてしまう人もたびたびおり、性犯罪を伴う詐欺行為を働くアカウントは、こうした画像を収集しておいてツイートしているものとみられます。
女性ファンが多い界隈で、同性を偽って詐欺と性犯罪を示唆する内容を手口とするこの行為は、卑劣極まりない行為です。こうした行為をする人は、複数のアカウントで同様の手口で女性を狙っている可能性も高く、中高生などでネット犯罪に巻き込まれやすい人たちには特に注意を促す必要があると思われます。
普段からネット上で交流があるとしても、交流している人の顔や素性が見えない以上、信用するのは危険なことです。若い女性を狙った悪質な行為は、ネット上という危うい世界の中で頻発しています。こうした犯罪に巻き込まれないようにするためには、個人間の取引ではなくリセールサービスを利用するのがいいでしょう。ちょうどタイミング的に、6月14日から「入場券不正転売禁止法」が試行されます。これに伴い、公式公認のリセールサービス(チケットを定価で譲渡できるサービス)が案内されるケースも増えていますし、今後さらに増えていくことでしょう。
どうしても行きたかったステージの抽選が外れると、ついネット上で検索してしまうことも多いと思いますが、こうした犯罪行為がある以上、うかつに手を出すのは極めて危険です。犯罪に遭わないためにも、こうした事案が多発していることを頭に置いておきましょう。