チャリ~ンと震災遺児支援 自販機が一役買う

東日本大震災で親を亡くした震災遺児の支援に、街角の飲料自動販売機が一役買っている。売り上げの一部を養育や進学の支援に充てる仕組み。時間や場所を問わない支援は、被災地を中心に首都圏にも広がりを見せている。

コカ・コーライーストジャパン(東京)は震災遺児支援のための自販機を宮城県内に30台展開する。
自販機の設置者に支払う販売手数料の一部を、遺児の養育を支援する「子どもの村東北」(仙台市青葉区)、遺児に支援金を給付する「JETOみやぎ」(宮城野区)の二つのNPO法人に寄付している。
子どもの村東北のスタッフ長谷川稔さん(46)は「多くの方の支援で運営は順調。自販機の外装に描かれたメッセージは、活動内容を知ってもらうきっかけにもなっている」と話す。
自販機の販売・管理を行う「三和ベンダー」(東京)は、売り上げの一部を宮城県と岩手県に寄付。「就学支援協賛自販機」の看板を掲げ、東京都内の繁華街を中心に約1900台を設置しており、2011年からの合計寄付額は1000万円に迫る。
震災以降、節電意識の高まりで飲料自販機の設置は減少傾向にあるが、一方で寄付型自販機は右肩上がりで増加している。
自販機を通じた社会貢献を提案するNPO法人「寄付型自動販売機普及協会」(東京)は「震災を契機に社会貢献への関心が高まっている。企業、設置者、消費者が低コストで携われる支援形態として拡大は続くだろう」と分析する。

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