チュートリアル、友近…ギャラ100万円芸人がリストラ危機なワケ

「今後、地上波のテレビでは確実に数字を持っている大御所芸人と安くて小回りの利く第7世代の二極化が進み、中堅芸人が消えていく潮流が加速していきます」

と話すのはテレビ制作関係者。“コンビのギャラが100万円前後クラスの中堅芸人がリストラされる”というのだ。

「最大の理由は、彼らの高額なギャラ相場です。テレビの制作現場は昔と比べて圧倒的に予算が減っています。替えがきくならば、コンビでギャラが10万円前後の第7世代を使いたいというのが制作側の本音。この春もそうでしたが、秋の改編期でも中堅層はまた消えるはずです」(前出の関係者)

実際に知名度抜群でも、過去3年以内にレギュラーを失った中堅芸人は増加中なのだ(以下、表参照)。しかし、露出減は必ずしも人気の衰えが原因ではなさそうだ。

「さまぁ~ずは、地上波で4本の番組を持っていますが、そのうち2本は所属事務所のホリプロが制作に関わっているので、オファーを受けての番組は残り2本のみ。好感度が高いので意外かもしれませんが、高額なギャラがなかなか下げられないのが一因だとか。

たとえば、同じく好感度の高いサンドウィッチマンは彼らより格段にギャラが安いので安定的にオファーがあります」(前出の関係者)

“高額なうえ替えがきく”という点では、石塚英彦(59)や森三中も“リストラ”対象だという。

実際、森三中の黒沢かずこ(42)は5月4日放送のバラエティ番組で、今年3月末まで8年間レギュラー出演していた『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)を「ロケ回数もちゃんとノルマ達成してたのにクビになった」と暴露している。

「森三中は芸歴20年のベテランで安心して見られるとはいえ、女性トリオでいえば第7世代・3時のヒロインのほうが断然安価です。石塚さんも、食レポに関しては同じ事務所のギャル曽根さんならギャラは10万~30万円と格安なので、石塚さんに声がかかることは減っています」(前出の関係者)

■相方の不祥事がリストラの原因にも…

“相方の不祥事”がリストラの契機となるケースもある。

「チュートリアル徳井(義実・46)は税金の未納、雨上がり決死隊の宮迫(博之・51)は闇営業でコンビの仕事は一時期ゼロに。徳井は復帰したものの、局やスポンサーにクレームが殺到してあえて起用するメリットが少ない。加えてギャラも不祥事前とさほど変わらないのでなおさらです。

蛍原(徹・53)は『アメトーーク!』を一人で頑張っていますが、福田(充徳・45)にしても蛍原にしても、単体だと番組の回しがうまいわけでもないので、今ある番組が終われば厳しいかもしれません」(前出の関係者)

出演番組の終了などもあり、徐々に露出が減る人も。

「ココリコは現在コンビでのレギュラーは『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ系)のみ。田中(直樹・50)は役者として活躍していますが、今後コンビでのオファーが増えることはないかも。

タカアンドトシは、減ったとはいえ全国で4本、北海道ローカルでは2本のレギュラーを持っています。十分ベテランですが、同じ100万を払うなら、インパクトのあるくりぃむしちゅーや爆笑問題のほうがいいというのも本音。

友近(47)もビビる大木(46)も、ローカルでは冠番組を持っているし、準レギュラー的な仕事も多々あります。ただ、ギャラが高額なので、安い若手に勝てる要素が少ない。本来は実力もあり、コスパのよい人たちですが、制作費カットのあおりをもっとも多く受けているのです」(前出のテレビ制作関係者)

■「お笑いの出世コースに変化が生まれている」

こうした“中堅芸人離れ”が起きている背景について、お笑い評論家でもある江戸川大学の西条昇教授が解説する。

「第7世代など、次々と若い人が現れ、芸人自体が増えています。そこに、コロナの影響で大勢のロケがしにくい、“ひな壇”の人数が限られるなど、コロナ前よりも出演人数が絞られていることで、テレビの中の陣取り合戦が熾烈になっているんです。また、若者のテレビ離れに加え、YouTubeやNetflixなどの動画配信を見る層が増えており、テレビ全体の視聴率も落ちています。

制作費が減少するなかで、ギャラを削らざるをえない部分はあるでしょう。面白さが同じなら、安いほうを使うというのは今に始まったことではありませんが、不景気で一層シビアになったのでしょう」

そんな昨今、テレビを中心としてきた“お笑いの出世コース”にも変化が起きているという。

「今までは、若手芸人はまず深夜に冠番組を持ち、次は夕方やプライムタイムへ、最終的にはゴールデン進出というのが王道でした。しかし今は、ゴールデンに出ても先が見えない。キングコングの西野さん(亮廣・40)は『はねるのトびら』(フジテレビ系)でゴールデンに進出したものの番組が終了。そこで、“ひな壇芸人”を選ばず、絵本やオンラインサロン、YouTubeに活動を移して、そちらでブレークしました。また、江頭2:50さん(55)やヒロシさん(49)もテレビでは見なくなりましたが、YouTubeの登録者数は、江頭さんが236万人、ヒロシさんが110万人と、完全に“一発逆転”しました」(西条教授)

もはや、タレントにとって地上波レギュラー本数だけを競う時代ではないのかもしれない。

「さまぁ~ずも昨年からYouTubeを始めて、登録者数は約40万人。持ち味を生かして好きなことをやって成功しています。タカアンドトシも、北海道の番組の公式YouTubeチャンネルでダイジェスト版が配信されているので、他地域でも見られます。今後はテレビでの代表的な番組を軸に、それ以外でバランスよく活動する時代です」(西条教授)

地上波以外に活路を見いだし、再ブレークする中堅芸人がまた現れるかも!

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