テレビやめたら寄付激減 多賀城市のふるさと納税、昨年のわずか0.9%

ふるさと納税の新制度が6月に始まり、宮城県多賀城市への寄付額が落ち込んでいる。6~8月は昨年同期の0.9%しか納税がなかった。返礼品として人気だった家電製品を扱えなくなった影響が大きいとみられる。昨年度、市への寄付額は20億円だった。本年度はふるさと納税分として当初予算に1億円の収入を盛り込んだが、目標達成は厳しい状況だ。

【写真】復元が予定される多賀城外郭南門予定地。左奥が政庁、右手は多賀城碑の覆屋=多賀城市市川

 市によると、6~8月分のふるさと納税は154件、303万円。昨年同期の1850件、3億3495万円に比べ、件数、金額とも大幅に減った。

 新制度により、返礼品は「地場産」「寄付額の3割以下」などの基準が厳密になり、これまで人気だったソニー製のテレビなどが扱えなくなった。目立った特産品のない市の返礼品は283品から62品に激減。はちみつや肉など食料品が大半を占め、ソニー製品は市内で生産されるブルーレイディスクだけになった。

 昨年度まで、寄付額の5割に相当する返礼品を提供していた市は、国から税制優遇期間を短縮する全国43市町村の一つに指定された。7月に再申請を余儀なくされ、優遇措置を外されないように返礼品を絞り込んだ背景もある。

 家電など人気の高かった返礼品を除いた18年度の年間寄付額は約6000万円。市は19年度、地元企業の協力などで1億円達成は可能と試算していた。

 管財課の吉田学課長は「寄付は10~12月で全体の半分以上を占めるが、本年度は10万円以上が1件だけで、多くを期待できない。納税先の分散化もみられ、件数を増やすしかない。てこ入れ策を検討したい」と言う。

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