コロナの流行をきっかけに企業での導入が広がった「テレワーク」について、週に1日程度でも行っている人は「幸せ」だと感じる度合いが高い傾向にあることが分かりました。
厚生労働省がきょう公表した、ことしの「過労死白書」では、全国の働く人1万人を対象に、去年10月時点で行なっている「テレワーク」の頻度と、自分が「幸せ」だと感じる度合いに関してのアンケート調査が行われました。
その結果、テレワークを「一度もしていない」と答えた人が幸せだと感じる度合いは、10段階評価の平均で男性では6.2ポイント、女性では6.4ポイントでした。
一方、テレワークを「週に1日程度行っている」と答えた人の度合いは男性では6.6ポイント、女性では6.8ポイントでした。
さらに、「週に2日から3日程度行っている」と答えた人の度合いは男女ともに6.7ポイントで、テレワークを行っている人は、行っていない人よりも幸せを感じる度合いが高い傾向にありました。
厚労省はその理由について、テレワークによって通勤によるストレスが減ったことや、家族と過ごす時間や睡眠の時間が確保できるようになったことをあげています。
また、昨年度に仕事のストレスが原因でうつ病などの精神障害を発症し、「労働災害」だと認定された件数は629件に上り、過去最多でした。
業種別の割合でみると、最も多かったのは「医療・福祉」で22.6パーセント、次いで「製造業」が16.9パーセントとなっています。
精神障害を発症して労災と認定された人の数は、この10年で2倍近くに増えていて、厚労省はパワーハラスメントや長時間労働などを防ぐために、「会社への指導や相談先の周知をさらに進めていく」としています。