テレビ朝日は1日、12年度の平均視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)がゴールデン(午後7~10時)とプライム(午後7~11時)の両時間帯で年度視聴率で1位となったと発表した。いずれも1959年の開局以来初めて。ゴールデンが12・4%、プライムが12・7%。全日帯(午前6時~深夜0時)は、日本テレビの7・9%と0・1ポイント差の2位で、3冠にあと一歩だった。
【写真】テレビ朝日の入社式に登場した伊藤英明と坂口憲二
過去30年、日テレとフジが3冠を争ってきた中に割って入る大躍進。背景には、早河洋社長(69)の存在が大きい。報道畑出身で「ニュースステーション」などを手掛け、09年6月、テレ朝初の生え抜き社長に。午後5時台からの「スーパーJチャンネル」に続く午後7時以降は、安定した人気を誇るバラエティー番組の3時間特番を頻繁に編成。2時間特番が主流だった放送界に革命を起こし、午後9時54分からの看板枠「報道ステーション」に直結させる編成を試みて奏功した。
ゴールデン、プライム帯の3時間特番には、深夜枠で育てた「Qさま!!」「いきなり!黄金伝説。」などを“昇格”。「スーパーJ…」前の平日午後には、リピート放送にもかかわらず視聴率10%以上を保つドラマ「相棒」を据え、全日の視聴率を押し上げた。
スポーツ中継にも力を入れ、昨年6月にはサッカーW杯最終予選の3試合(オマーン、ヨルダン、オーストラリア戦)で、いずれも視聴率30%超え。同9月のイラク戦も28・9%、同11月のオマーン戦も30%で、3月のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)では、2次ラウンドの台湾戦で30・3%を記録し、2冠を後押しした。
同社では快挙達成の特別ボーナスの話は出ていないが、2日から4日間、社員食堂を無料化して労をねぎらう。