3月6日のテレビ朝日「報道ステーション」の森友学園についての報道。
何が問題なのか詳細に記します。
報道は、籠池被告の初公判に合わせたものでしたが、新事実ではないものを新事実と報道する、これまでも報道ステーションがやってきて私が「ジャーナリズム精神に反する」と厳しく指摘した手法をまた使いました。
報道ステーションの報道は以下の通りです。https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000149230.html
『学校法人「森友学園」をめぐり、補助金をだまし取ったとする事件の初公判が6日に行われ、前理事長・籠池泰典被告(66)は意見陳述で「国策捜査、国策逮捕、国策勾留は絶対許せない」と述べた。「安倍官邸からの意向と官邸への忖度(そんたく)によって財務省が動き、国民の目をそらせるために別件逮捕した。しかも、昭恵夫人と親しかった家内をも口封じのため罪を作り上げ、共犯として逮捕し、300日間勾留した」と訴えた。
ただ、大阪府と市からの補助金については、一部虚偽の申請をしたことを認めた。妻の諄子被告(62)は無罪を主張している。一方、検察側は冒頭陳述で「2人が国の補助金を受け取るため、設計業者などに虚偽の契約書を作成するよう指示した」としている。森友学園をめぐっては、国が国有地を8億円値引きして売却したうえ、財務省が決裁文書などを改ざんし、昭恵夫人の名前などを消していたことがわかっている。
★先週、国が8億円値引きの根拠として示していたごみの写真をめぐり新たな事実がわかった。「複数の穴を掘って写した」としていた3枚の写真が実際は同じ1つの穴の写真を使い回していたという。この問題は6日の国会で取り上げられ、石井国土交通大臣は「写真の選定は間違えたものの、掘削深度やごみの層を記載した説明内容については誤りはない」と述べた。籠池被告は6日夜、我々の取材に対し「ごみは出てきたと認識していた。財務省の役人はそれを元にして数値をいじり、安くするための一つの企てを行ったと認識している。本丸のそこをきちんとしないといけない。そうでないと日本の司法はダメになる」と語った。』
しかし、報道の中で、★以降の部分は新たな事実でも何でもありません。
2月に参議院予算委員会理事会に、野党の要求に応じ、国土交通省が森友学園の小学校建設業者に問い合わせた質問について回答した文書が提出されました。
この文書では、テレビ朝日が「新たな事実」として報道した写真について説明されています。回答は1月30日付で、その後2月4日に参院予算委理事会に提出され、野党のみならずマスメディアも入手し報道しています。
文書によると、小学校建設業者は、試掘の過程で、国土交通省側から「『すぐに提出してほしい』と急な依頼があった」として一部誤って写真を使用するという「単純ミス」をしたことを認め謝罪しています。
そして、3枚の穴の写真について、同一の穴の写真を使ってしまったことも認めています。
『ごみ穴の写真は「引用誤った」 森友側の施行業者が回答』(朝日新聞)https://digital.asahi.com/sp/articles/ASM246CR1M24UTIL03F.html
一方で、この土地には通常では処分できない「油分の含まれた土」「臭気のある土」などがあったこともはっきりと述べています。
さらに業者は「ゴミの撤去費用の試算の根拠にはミスはない。しかし、説明の一部を取り上げて、あたかも『説明がすべていい加減だった』かのような報道をされて迷惑している」と記しています。
しかしテレビ朝日「報道ステーション」は、2月4日に公開され報道されたやり取りを、あたかも新事実かのように報道し、業者は値引きの根拠となるゴミはあったと説明しているのに、その部分をカットしていることによって、あたかも、国交省や建設業者が怪しい動きをしているかのような報道をしています。
建設業者が迷惑していると訴えているのに、何ら顧みることなく恣意的なニュースを流し続けています。
テレビ朝日と報道ステーションのジャーナリズム精神について、皆様はどう考えるでしょうか?