テークアウトに新形態 新型コロナの影響受け、利用の後押し活発化

新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、仙台市でも「持ち帰り」を取り入れる飲食店は増えているが、日が浅く消費者への浸透に苦しむケースも多い。太白区では歩きながら店を回れるマップや、店を紹介するウェブサイトを作って利用を後押しする動きが活発化。野菜や鮮魚をドライブスルーで買える店が登場するなど、新たな形も出始めた。

◎マップ手に運動不足解消 富沢など3地区歩いて飲食店へ

 太白区富沢、泉崎、長町南エリアの飲食店主らは、外出自粛中も歩いて運動不足を解消しながらテークアウトメニューを楽しめるマップ「歩くプラス」の製作を進める。
 「歩くプラス」はA4判の二つ折りで両面カラー。5月上旬に参加店で配布を始める。飲食店17店、エリア内の新笊川沿いで出合える鳥の写真を掲載。裏表紙ではウオーキングの際の正しい姿勢などを紹介する。
 発起人は泉崎の「そば処登喜和(どころときわ)」の小川浩二店長(32)。テークアウト営業を始めても情報発信に不慣れな店があることから、マップ作りを各店に打診。デザインや写真などは地域住民らの協力を得た。小川店長は「テレワークや休校で家にずっといるとストレスもたまる。マップを活用して歩き、テークアウトも利用してほしい」と話す。
 ウェブサイト版(https://sobadokorotokiwa.wixsite.com/sobadokoro-tokiwa/arukupurasu)もあり、マップにない飲食店も随時追加する。

◎野菜や魚をドライブスルーで 茂庭に「286市場」オープン

 太白区茂庭の国道286号沿いに30日、野菜や鮮魚、弁当を車から降りずに買える「茂庭286ドライブスルー市場」がオープンした。スマートフォンを使った一部のキャッシュレス決済にも対応。「3密」を避け安心して買い物をしたい消費者の要望に応える。
 店員は車内の客から注文を聞き、セットの野菜や鮮魚を箱や袋に詰めて車内に直接運ぶ。客が店員と接するのは注文と支払いの時だけで、店内に入らないため密集も避けられる。
 開設したのは飲食店経営のスタイルスグループ(仙台市)。休業店舗の一つを活用した。佐々木浩史社長は「メリットは接触しないこと。3密防止が必要なうちは続けたい」と話す。
 野菜は約10種が入って
1000~2000円、鮮魚も2000~3000円のセット商品として販売する。特上三陸のり弁(750円)など弁当は約10種類。午前10時~午後6時。連絡先は同市場022(738)8983。

◎ウェブ開設22店、多種多彩 長町の住民が飲食店応援

 外出自粛と「ステイホーム」の呼び掛けが続く中、太白区長町エリアでテークアウト事業を始めた飲食店などを応援しようと、地域住民がウェブサイト「長町デリ」を開設した。
 紹介するのは和食、洋食、中華、焼き肉、カレーといった定番料理からパン、豆腐、たい焼きまで多種多彩な22店。写真とともに代表的なメニュー、販売方法などを掲載している。
 発案したのは長町在住の主婦森瑞貴さん(37)。1歳4カ月の双子を子育てしながら、宅配や持ち帰りの情報を知りたいと思い、制作に踏み切ったという。森さんは「せっかくテークアウトを始めても情報をまとめる媒体がなく、何かできないかと考えた」と話す。
 店を回ってチラシを配り、了解を得ながら掲載作業を進めた。森さんは「大変な状況だという声を多く聞いた。紹介する店を増やし、地域の住民とお店の役に立ちたい」と意気込む。長町デリはhttps://www.nagamachideli.com/

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