ディーゼル車の小型トラック、いすゞが来夏までに発売…「準中型」持たない若者も運転可能

 いすゞ自動車が、普通免許で運転できる車両総重量3・5トン未満のディーゼル車の小型トラックを来夏までに発売する方針であることがわかった。ドライバーの残業規制で物流の停滞が見込まれる「2024年問題」が懸念される中、若手やパート従業員などに運転手のすそ野を広げる期待がある。 【イラスト】なぜ、いすゞは小型トラックを発売?…その仕組みとは

いすゞ自動車の南社長(横浜市西区で)=今利幸撮影

 いすゞの主力車種「エルフ」シリーズとして売り出す。現在、トラックの大半を占めるディーゼル車の小型トラックに普通免許で運転できる車種は国内になく、新型車がその穴を埋める形になる。電気自動車(EV)タイプも出す。

 17年の道路交通法改正により、普通免許で運転できた総重量3・5トン以上の車両は、新たに準中型免許(同3・5~7・5トン未満を運転可能)の取得が義務づけられた。改正後に取得した普通免許では従来の小型トラックが運転できなくなり、準中型免許を持たない若手アルバイトやパートでも宅配などで運転できる車を求める声があった。

 普通免許で乗れるEVのトラックは22年から日野自動車が販売しているが、EVは航続距離の短さや充電環境など課題も残る。いすゞは電池が重いEVより荷物が多く運べるディーゼル車の開発を進めてきた。車両サイズを小型貨物車の規格(全幅1・7メートル、全長4・7メートル、全高2メートル以下)としつつエンジンや変速機の軽量化を図り、荷物を最大1・5トン程度まで積載できるよう設計した。

 車両総重量は車両本体の重量に最大積載量、乗車定員の重量を足したもの。一般的に「2トントラック」の2トンは最大積載量を指し、エルフや日野「デュトロ」などの小型トラックが該当する。

 物流の人手不足は深刻さを増している。野村総合研究所は24年問題を踏まえ30年に全国の約35%の荷物が運べなくなると試算する。

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