デジ庁主導「ガバメントクラウド」移行進まず 経費削減は限定的?

政府が情報管理の効率化のために整備する「ガバメントクラウド」の活用が滞っている。省庁や自治体が個別に運用してきた税や年金などの管理システムを、ネットワークのクラウド上の共通サービスに移し、経費削減をめざすものだ。国は2025年度までに運用経費を20年度比で3割減らす目標だが、それまでに移行できる国のシステムは全体の2割弱にとどまる。同じクラウドを使う自治体でも遅れが目立っている。国民の利便性が高まらず、コストばかりがかさむ恐れもある。 【図解】ブラックボックス化が進む政府の情報システム予算  ガバメントクラウドはデジタル庁が整備を進めている。行政機関どうしの情報連携をスムーズにし、地方の市町村で職員が減るなかで、それぞれの機関が独自のシステムを維持する負担を軽くするねらいもある。  デジタル庁によると、国には現在約1100のシステムがある。うち68が、23年度末までにガバメントクラウドに移行した。これらは運用経費の3割程度の削減が達成できたという。ただ、24年度と25年度に移行するのは、それぞれ50弱、80弱にとどまる見通し。  25年度までにクラウドに移行するのは、農林水産省の研究者のデータベースなど小規模なシステムが中心だ。費用がかさむ税や年金などの大型のシステムは間に合わず、政府全体の経費削減効果は限定的になるもようだ。

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