「正直、私たちの仕事は繁盛しています。この状況になって、今まで導入していなかった会社・部署も、在宅勤務を推進し始めましたから」
そう話すのは、都内のIT関連企業に勤めるAさんだ。3月25日の緊急記者会見で、小池百合子都知事(67)が「重大局面です。できるだけ、仕事は自宅でお願いしたい」と語ってから、テレワーク導入の機運は爆発的に高まった。
「テレワークには、自宅のインターネット環境が必須。私の会社では、Wi―Fiルーターの代理店業もおこなっていて、もう今年の契約ノルマを達成してしまいました」(Aさん)
パソコン周辺機器大手「ELECOM」の担当者も、こう話す。
「ヘッドセット、ウェブカメラなどの商品は売り上げが伸びています。もともと今年は東京五輪開催時の混雑緩和のためにも、テレワークの需要が伸びるのは想定していましたが、かなり早い段階で浸透した印象です」
いわゆる、“巣ごもり消費” の影響も見えてきた。デリバリー需要の高まりから、正社員200人・アルバイト5000人を新たに採用すると4月2日に発表した、宅配ピザの「ドミノ・ピザ ジャパン」。好業績が予測されるが、担当者は時節柄か「お答えできません」と少し困り気味に言う。
生鮮食品宅配の「オイシックス・ラ・大地」では、新型コロナの影響により注文が殺到しているため、一部サービスの新規入会を休止した。
「台風や大雪でも配達してきた経験があるので、今回もきちんと危機管理をしながら宅配しています。売り上げが伸びている?……購買していただく機会は増えてきています」(オイシックス担当者)
自炊意識の高まりからか、「ふりかけの売り上げ、需要が増えています」と話すのは、「丸美屋食品工業」の担当者。
「レトルト食品、キャラクターカレーなどでも売り切れてしまう商品があります。お客様に届けられるように、いまは増産態勢で臨んでいます」(丸美屋担当者)
まったく別の業界からも、景気のいい話が聞こえてきた。「思わぬ理由から好況に沸いている」と話すのは、美容整形外科医のCさん。
「大がかりな整形手術になると、『ダウンタイム』という術後の腫れが引く期間を設けないといけません。ですが、いま世間は外出自粛中ですし、外に出るときのマスク着用も不自然ではない。『ダウンタイムがあっても困らない』という理由で、手術希望者が殺到しています」