ラブホテルが密集する仙台市青葉区立町の市道で、迷惑停車が問題になっている。無店舗型の性風俗デリバリーヘルス(デリヘル)の送迎車が何台も止まり、車両の通行や住民の歩行を妨げているという。地元町内会などは近く、違反車両の取り締まり強化などを求める請願書を県警や仙台市に提出する。
ビル街の電飾照明がきらめく7月下旬の午後6時半。13のラブホテルが林立する立町地区の市道に14台の車が止まっていた。
ドライバーはエンジンをかけたまま所在なげにスマートフォンをいじったり、座席を倒して居眠りしたり。「あれはデリヘルの送迎車。どいてほしいが怖くて誰も声を掛けられない」と近くの会社員男性がうんざりしたように話した。
住民によると、送迎車は夕方から増え始めて夜には多い時で20台以上が並ぶ。ドライバーは女性従業員を送り届けると、サービスを終えるまでホテル前で停車し続ける。
一方通行の市道の両端に止まったり、歩道に乗り上げたりする車もあり「歩きにくくて困る」と近隣の60代の男性住民。消防車が火事現場に駆け付ける際、送迎車が邪魔になったこともあったと明かす。
子どものいる家庭は安全面を危惧する。2人の男の子を育てる主婦(42)は「送迎車が死角になって子どもらが巻き込まれる事故が起きかねない。できれば駐車場に止めてほしい」と願う。
複数の住民によると、迷惑停車は10年ほど前から目立つようになった。県警の取り締まりで違法な店舗型性風俗店が激減したものの、その代わりに無店舗型のデリヘルが増加し、ホテル周辺の狭い路地に送迎車が増えたという。
立町地区町内会連合会と周辺企業は迷惑停車の解消のため、仙台市と県警に歩道整備や違反車両の取り締まり強化を求める請願書を8月中に提出する。7月末には署名活動も始めた。
阿部邦彦会長は「住民が長年悩まされている問題であり、市と県警は有効な手を打ってほしい。特に風俗には反社会勢力が関わっている可能性もあり、県警は取り締まりを強化してもらいたい」と訴える。