埼玉県議会で審議中だった「虐待禁止条例案」をめぐり、改正案を提出した自民党県議団が「撤回」したことに注目が集まっているが、こちらの「撤回」もSNS上で話題となっている。タレントのデヴィ夫人(83)が、ジャニー喜多川氏(2019年死去)の性加害問題について自身の発言を謝罪したことだ。
ジャニーズ性加害構造の萌芽は70年前に…一晩で5人の少年の間を渡り歩いた“軽井沢事件”の全貌
デヴィ夫人は7月、自身のSNSでジャニー氏の性加害問題について、《半世紀にわたって日本の芸能界をけん引し、スターを育て、その非凡な才覚で何億何千万という人々を楽しませ、夢中にさせてきた。昨今の流れは偉大なジャニー氏の慰霊に対する冒涜、日本の恥である》などと投稿。
だが、今月10日になって、《さまざまな報道で私の全く知らない喜多川氏の愚行を知り、驚きと共におぞましく感じました》としたうえで、《以前の発言を撤回させていただくと共に、私の発言により傷ついた方、怒りを覚えた方に心より申し訳なく思います》と謝罪したのだ。
デヴィ夫人と言えば、どんな人物に対しても「媚びず、恐れず」。歯に衣着せぬ物言いで知られ、どんなに批判の声が出ようが自我を通す印象が強いキャラだ。そのデヴィ夫人が自身の発言を謝罪し、撤回したのだからネット上では驚きの声が広がった。
■BBC人気司会者による性的虐待の被害者は少なくとも72人…
《どんなことがあっても意見を押し通すデヴィ夫人が撤回した…。やはり、それほどひどい性犯罪事件だったということ》
《自民党埼玉県議団の改正案撤回よりも、デヴィ夫人の発言撤回に驚いた。それだけ、おぞましい出来事だったんだよな》
もっともデヴィ夫人が発言撤回をしたのも無理はない。事務所側は「虚偽告発」の可能性を指摘しているが、ジャニー氏からの性被害を訴える新たな声があちこちで上がり始めているからだ。
「ダンス練習の休憩中に男子トイレに連れ込まれて被害…」(NHKの報道より)といった被害者の訴えが事実であれば、まさに“手当たり次第”の悪行。今後、どれだけの被害者が明らかになるか分からず、最悪の場合、4桁に届くかもしれない。
2011年に84歳で死去したBBCの人気司会者、ジミー・サヴィル氏の少年や少女に対する性的虐待の被害者は、独立調査委員会の調べで少なくとも72人に上るという報告書が発表されている。海外メディアの報道で、「日本のジミー・サヴィル」とも呼ばれているジャニー氏の毒牙にかかった被害者は果たしてどれほどの人数に上るのだろうか。