トップの神奈川県は38.5%、最下位県の約1.77倍…都道府県別スマートフォン利用率動向(2013年発表)

2013/07/10 08:45
総務省では2013年6月14日に、平成24年(2012年)時点での各種状況を調査した結果を収めた、日本のインターネットや携帯電話など各種情報通信の報告書「通信利用動向調査」を公開した(【発表ページ:通信利用動向調査】)。今回はその公開値を基に、都道府県別のスマートフォン利用状況について確認をしていくことにする。全体では3割超えの保有率は、地域によってどのような違いを見せているのだろうか。
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都道府県別のスマートフォンによるネットアクセス利用状況
今件記事のきっかけとなったのは、2013年6月に掲載した【スマートフォン所有率は45.0%、女性は30代まで過半数(2013年)】。博報堂DYメディアパートナーズのメディア環境研究所調査によるものだが、東京や大阪と比べて高知のスマートフォン所有状況が低めという結果が出ている。
↑ スマートフォン所有状況(地域別)(2013年)(再録)
これについて確定は出来ないものの、地域による新商品の浸透度、世代構成比率が原因として考えられる。特に後者、つまり都市圏よりも地方の方がシニア層比率が高く、同層では年齢的な問題からスマートフォン所有率が低くなるため、必然的に「地方」=「高齢層多い」=「高齢層保有比率が低いスマートフォン所有(利用)率も低くなる」というものだ。この傾向はアメリカのリサーチ(Pew Research社のものなど)でも良く出ている。
そこで今回は、通信利用動向調査のデータを元に、都道府県別の「スマートフォンでインターネットを利用している人」の比率を算出した次第。次のグラフがその結果だが、全体では31.4%、最高値は神奈川県の38.5%、最低値は秋田県の21.8%。16.7%ポイント・1.77倍もの差が出ている。
↑ スマートフォンでインターネットを利用している人(2012年、各地域全体)
ざっと見ると千葉県・東京都などの関東圏、大阪府・兵庫県などの近畿圏、福岡県などの九州北部圏など、人口密集地帯・都市地域で高い値を示している。一方で、それ以外の地域のうち、人口が比較的少なめな都道府県では値が低く抑えられている感はある。
ただし直上でも触れているように、もっとも低い秋田県でも21.8%と2割を超えている。ほんの一、二年前までは「未来の携帯電話」「持っている人を見かけるのは滅多にない」状況だったスマートフォンの利用率とは考えられない値である。
上位・下位10地域を並べてみる
上記グラフは各都道府県の動向を知るのには役立つが、上位陣・下位陣を探すのには少々難儀する。そこで並べ替えをして、上位10位、下位10位のものを生成した。
↑ スマートフォンでインターネットを利用している人(2012年、各地域全体)(上位10位)
↑ スマートフォンでインターネットを利用している人(2012年、各地域全体)(下位10位)
上でも触れているが最上位は神奈川県の38.5%。次いで東京都の37.7%、大阪府の36.7%が続く。関東地域をはじめ、人口密集地帯(=人口比率的に若年層が多い地域)が上位を連ねている。
一方で下位は秋田県の21.8%をはじめ、岩手県、高知県、青森県のような、比較的人口比率で高齢層が多い地域が名前を連ねている。スマートフォンの所有・利用は年齢属性との関係が深いことを考えると、この動向は理解もできるというものだ。
今件はリクエストもあり調査をしたわけだが、ある程度予想は出来ていたものの、興味深い結果を導き出すことができた。スマートフォンはこの1、2年で大きく利用率を高めていることから、来年発表分ではさらに各地域とも値を上乗せしているに違いない。
その際には1年間の変移も算出し、どの地域で急速に浸透を深めていくのかも推し量ることにしよう。
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