トトロ米沢にもいた! 「鮭川の木よりそっくり」対抗

 トトロの森。実は山形県米沢にあります―。福島県境に近い米沢市の李山(すももやま)室沢地区に、映画「となりのトトロ」(宮崎駿監督)に出てくる森の主・トトロの体形にそっくりな小さな森があり、ひそかな名所になっている。うわさを聞いて訪れる人が増えたため、近くに案内板を設置する話も浮上している。
 トトロのように見えるのは、田んぼの中に約10本の樹木が密生している小さな森。身長30メートル、胴回り20メートルはあろうかという姿で、紅葉したクリやナラが、赤面したような顔と、ぽっこりとしたおなかのラインを描く。ツンととがった両耳はスギの突端。かわいらしいしっぽもしっかりある。
 地区の農家の話を総合すると、地区外の市民の私有地でまったく手つかずの森だという。少なくとも100年以上かけて形成されたとみられ、数十年前から「鬼の木」と呼ばれ、子どもたちに怖がられてきた。
 約20年前から脚光を浴びていた山形県鮭川村の「トトロの木」に対抗して、「米沢の方が格段に似ている」と言い続けた結果、口コミなどで徐々に認知度が向上。宮崎アニメのファンを中心に観光客も増えているという。
 最近、約20人を案内したという米沢市のコンビニエンスストア経営相田克平さん(44)は「直立しているようにも見え、バス停で猫バスを呼ぶシーンに思えてしまう。地区にも映画の雰囲気があり、これ以上トトロに似ている森はない」と語り、「米沢の新名所になってほしい」と期待する。
 ここ数日の悪天候で既に葉が落ち始めたが、今週いっぱいは見ごろが続きそうだ。
 李山室沢地区は米沢市の最南端。「トトロの森」は、JR米沢駅から車で白布温泉方面へ約11キロ、南原小李山分校(休校)の南側約500メートルの所にある。

タイトルとURLをコピーしました