トヨタ 東北の生産台数50万台規模に アクアで底上げ

トヨタ自動車が東北の2カ所の拠点で手掛ける自動車の2012年生産台数が、50万台規模に膨らむ可能性が高まっている。関東自動車工業岩手工場(岩手県金ケ崎町)が全量製造する小型ハイブリッド車「アクア」の受注が好調なことに加え、11年1月に生産を開始したセントラル自動車(宮城県大衡村)の稼働率アップも見込めるため。50万台規模の生産が実現すれば、東北への関連産業の集積に弾みがつきそうだ。
 関自工岩手とセントラルの11年1~12月の生産台数は、東日本大震災による操業停止の影響などで計30万台半ばにとどまるとみられている。50万台規模は前年比で4割前後の大幅増となる。
 関自工岩手のことし1~3月の生産台数は、月平均3万台の見込み。生産車種のうちアクアについては、トヨタが年間32万台製造する方向で調整中。小型車「ラクティス」など他車種も含めると、年間生産台数は過去最高(07年)の37万台を超える水準となる。
 セントラルの1~3月は月平均1万台を生産する方向。今春には関自工東富士工場(静岡県裾野市)から小型車「カローラフィールダー」の移管も計画する。このため製造ラインの能力に当たる年12万台程度の製造を見込めそうだ。
 ただ「アクア人気で従来車種の売れ行きが鈍る」(トヨタ関係者)との見方もある。生産規模がはっきりするのは、工場単位の計画が固まる今春以降となる。
 トヨタは昨年12月、12年の世界生産台数を計865万台と発表。うち国内は11年実績比23%増の340万台を見込んでいる。

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