トヨタ、フォード共同開発 新HV技術で合意

 【ニューヨーク=青柳知敏】トヨタ自動車と米自動車大手フォード・モーターは22日、ハイブリッド車(HV)分野の共同開発で基本合意したと発表した。小型トラックやスポーツタイプ多目的車(SUV)に搭載する新型ハイブリッドシステムの実用化を目指す。同時に、各メーカー間で開発競争が激化している車載情報通信システムでも提携し、世界標準を狙う。詳細を協議した上で、2012年末までに正式合意する。
 トヨタが「プリウス」で先行してきたHV用システムを他社と共同開発するのは初めて。開発した新システムは両社がそれぞれの車種に独自に搭載する。米国で会見した内山田竹志副社長(技術担当)は「両社の基本合意により、エキサイティングかつ社会的貢献度の高い技術を開発できると期待している」と述べた。
 トヨタとフォードの協議は今年4月に本格化。共同開発する新型HV用システムは10年代中の実用化を目指し、後輪駆動式小型トラックとSUVに搭載する。米国ではオバマ政権が自動車メーカーに低燃費車の開発を義務付けており、HV技術でゼネラル・モーターズ(GM)やクライスラーに先行するフォードは「トヨタとの開発で、新技術を迅速かつ手ごろな価格で提供できるようになる」としている。
 情報通信システムをめぐっては、トヨタは4月、次世代車の通信システムの基盤づくりに向けた戦略的提携で米マイクロソフト(MS)と基本合意。フォードも電気自動車(EV)の充電管理などでMSと提携している。

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