トヨタ、8年ぶりディーゼル車…品質向上で活況

トヨタ自動車は17日、8年ぶりに国内でディーゼル乗用車を発売した。

燃費が良く、環境に優しい「クリーンディーゼル」の新開発エンジンを搭載した。ディーゼル車は、欧州市場で全体の半分を占める。国内ではマツダが一足早く注力しており、トヨタの再参入で人気が広がりそうだ。

トヨタは、スポーツ用多目的車(SUV)「ランドクルーザープラド」にディーゼルエンジン車(排気量2・8リットル)を追加した。ガソリン車(同2・7 リットル)よりも燃費性能が高く、燃料1リットルあたりの走行距離で約3割上回る。低回転でも力強い加速感を得られ、振動も少ないという。トヨタは 2007年にディーゼル乗用車の国内販売から撤退していた。

ディーゼルエンジンの技術開発は欧州メーカーを中心に進んだ。排ガスや振動、騒音などの問題を解消し、燃費性能も向上しており、ディーゼル車はエコカーとして欧州や新興国市場で人気を集める。

国内のディーゼル車の販売台数は2014年で約8万台と、11年の約9倍に急増している。日本では1990年代以降に環境規制が強化されたことなどから販売が低迷し、国内乗用車市場に占める割合は11年まで1%以下だったが、12年から増えている。

独BMWは、日本国内の販売台数の約3割をディーゼル車が占め、独メルセデス・ベンツも搭載車種を充実させている。国内メーカーでは、マツダが主要車種で品ぞろえし、SUV「CX―3」の国内向けはディーゼル専用だ。

トヨタをはじめ国内メーカーは、エコカーとしてハイブリッド車や電気自動車を重視してきたが、ディーゼル車を再評価する格好になっている。日本政府も購入補助金を設け、改めて普及を後押ししている。

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