トヨタ「プリウス」、カローラ抜き歴代首位に

 トヨタ自動車のハイブリッド車(HV)「プリウス」は、2010年の国内の年間新車販売台数が31万5000台を超え、これまで車名別で最も多かった1990年のトヨタ「カローラ」(30万8台)を上回り、20年ぶりに歴代首位が入れ替わったことが3日、分かった。
 プリウスは10年1~11月の11カ月間ですでに29万7563台を販売。同12月も28日時点で約1万8000台を販売し、年間での過去最高を更新した。低燃費や従来のHVより割安な価格に加え、エコカー補助金と減税を追い風に販売を伸ばした。
 10年の国内の新車販売台数は500万台を切ったとみられ、90年(約778万台)と比べ大きく減少。市場が大幅に縮小する中、大衆車の代名詞とされるカローラをプリウスが上回ったことは、環境重視の世相を色濃く映した出来事といえそうだ。
 10年の詳細な販売台数は、業界団体の日本自動車販売協会連合会などが今月11日に発表する。
 プリウスは月間販売台数でも、昨年12月まで19カ月連続の首位になったもようだ。ホンダが同10月にHVを追加した小型車「フィット」の昨年12月の販売は、約1万5000台にとどまる見通しだ。
 昨年9月のエコカー補助金終了後、国内の新車販売は急減。プリウスの同12月の販売台数も前年同月より約20%減の見通しだが、「エコカー減税のある間はプリウスの優位が続くのではないか」(自動車メーカー幹部)との見方が出ている。

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