トヨタが「空飛ぶ車」参入 米企業に430億円出資

トヨタ自動車は16日、「空飛ぶタクシー」向けの機体開発に取り組む米企業に対して3億9400万ドル(約430億円)を出資したと発表した。今後、需要の高まりが見込まれる「空飛ぶ車」事業に本格参入する。車の生産や電動化の技術を共有し、機体の量産化を目指す。他の自動車メーカーも開発に乗り出しており、次世代の輸送手段の競争は激化しそうだ。

 トヨタの出資先は米カリフォルニア州の「Joby Aviation(ジョビー アビエーション)」。垂直に離着陸し、ヘリコプターやドローン、小型飛行機の特徴を併せ持つ電動の機体「eVTOL(イーブイトール)」の開発を進めている。短距離向けで、渋滞が深刻な都市圏の通勤用などの需要が見込まれる空飛ぶタクシーでの活用を目指している。

 トヨタの豊田章男社長は、空の移動の実用化はトヨタ創業以来の夢だったとし「今回の協業により、空にも移動の自由と楽しさを届けるモビリティの実現に貢献できることをうれしく思う」とのコメントを出した。

 出資先企業のジョーベン・ビバート最高経営責任者(CEO)は「トヨタの優れた製造技術を活用できることを楽しみにしている」と表明した。

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