トヨタが被災地でEV実験 走行データを蓄積

トヨタ自動車は5日、岩手、宮城両県で小型商用電気自動車(EV)の実証試験を始めた。地元の産直施設と医療機関に試験車両を提供し、3年間にわたって業務利用してもらう。走行データを蓄積し、次世代車の開発に役立てる。
 商用EVは2人乗りで、トヨタの市販車をベースに開発された。家庭用コンセントを使って8時間でフル充電が可能で、約90キロ走行できる。最高時速は125キロ。
 提供を受けたのは、岩手県奥州市水沢区の大型産直施設「来夢(らいむ)くん」と、宮城県石巻市の離島、網地島にある老人保健施設兼診療所の網小医院。東日本大震災の被災地支援の狙いもあり、2カ所が選ばれた。
 走行距離や充電時間などのデータは、車体に取り付けられた通信装置でトヨタ本体に送られる。走行日の天候や乗り心地、使い勝手なども使用者が運行記録に残す。
 5日に奥州、石巻両市で引き渡し式が行われた。開発を主導したトヨタの小木曽聡常務役員は「日常業務に存分に使ってもらい、要望、助言をいただきたい」と語った。
 トヨタは同種車両を計10台保有しており、今後、実証試験の場を拡大する。

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