トヨタ自動車が電気自動車(EV)開発の基盤となる専用の車台の見直しを検討していることが24日、分かった。トヨタ幹部が明かした。EVは車載電池の価格が高く、従来のエンジン車よりも生産コストがかかり、米EV専業のテスラも黒字化に時間を要した。トヨタは量産段階で、着実に利益を生み出せる高効率な新たな専用車台を開発し、本格的なEVシフトに備える狙いだ。 【写真】トヨタ自動車の電気自動車(EV)「bZ4X」の車台 EV専用の車台の見直しについて、トヨタ幹部は産経新聞の取材に応じ、「さまざまな検討をしているのは事実」と認めた。 欧州や中国だけでなく、米国でもEV市場が拡大しエンジン車からの転換が加速しているが、同幹部はこの動きについて「想定よりも早い」との認識を示した一方で、「資源価格の高騰の問題も見えてきた。(EVシフトが)各国の想定通りに進むか不透明」とも述べた。 本格的なEVシフトに備えるため、トヨタ社内ではさまざまな議論が行われており、車台の見直しも、そのうちの一つだという。 トヨタはSUBARU(スバル)と共同開発したEV「bZ4X」を販売し、同車種にEV専用の車台「e―TNGA」を使用している。ただ、中長期的に生産コストを引き下げられる高効率の新たな車台が必要との意見が社内にあり、開発を検討しているという。 車台は車の基本部分で「プラットフォーム」と呼ばれている。複数の車種で共有することで生産コストを下げる効果がある。トヨタは2030年までにEV30車種、年間350万台の販売を目指している。