トヨタ東日本 売上高1兆円目前 国内生産の2割担う

昨年7月に発足したトヨタ自動車東日本(宮城県大衡村)の2013年3月期連結決算で、売上高が1兆円の大台に迫ったことが15日、分かった。東北最大となる東北電力(約1兆8000億円)に次ぐ事業規模で、製造業では他社を大きく引き離してトップとなる。
 トヨタ東日本の前身となった関東自動車工業(神奈川県横須賀市)、セントラル自動車(大衡村)、トヨタ自動車東北(宮城県大和町)の連結売上高合計は、12年3月期で約6780億円。東日本は決算を公表していないが、今期は合併前水準を4割程度上回る9500億円前後の売上高になったとみられる。
 トヨタ自動車の小型ハイブリッド車(HV)「アクア」の全量生産が岩手工場(岩手県金ケ崎町)で11年末から始まったほか、エンジンなど車載部品の内製化を進めたことが売り上げ拡大の要因に挙げられている。3社合併に伴う経費増もあったものの、損益面で黒字基調を保ったもようだ。
 トヨタ東日本は岩手、宮城、静岡に三つの生産拠点を持ち、12年度に計約66万台を生産した。東北分は約54万台で、うち7割近くをアクアが占めた。昨年12月には大和町内で自社のエンジン工場が稼働し、搭載エンジンを自前で供給している。
 トヨタ自動車は12年度、国内で336万9000台を生産した。トヨタ東日本はその約2割程度を占める。
 本年度に入ってからも岩手工場のアクア生産台数が高水準を維持しているほか、ことし8月には宮城大衡工場(大衡村)で新たにカローラHVの生産開始が見込まれる。エンジン車に比べ単価が高いHVの生産比率が高まるのは確実で、次期決算で売上高が上乗せとなる可能性がある。

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