トヨタ東日本エンジン工場 来月14日本格稼働

トヨタ自動車東日本(宮城県大衡村)が宮城大和工場(同県大和町)に完成させたエンジン工場を、12月14日に本格稼働させることが24日、分かった。トヨタ自動車の小型ハイブリッド車(HV)「アクア」用の1500ccエンジンを製造し、アクアを全量生産するトヨタ東日本の岩手工場(岩手県金ケ崎町)に供給する。
 トヨタグループとして東北初のエンジン工場。「国内第3の拠点」と位置付ける東北で、これまで計画してきた生産機能のほぼ全てがそろう。当日は関係者を集めた記念式典を現地で行う。
 エンジン工場は鉄骨一部2階、延べ床面積8700平方メートルで、生産能力は年間約10万基。導入した製造設備は「小規模ライン」と呼ばれ、将来のエンジン改良などに柔軟に対応できる。投資額は約20億円。
 建屋は昨年12月に着工し、今年5月に完成。8月までに設備の据え付けを終えた。試験生産を繰り返し、完成品の耐久性など品質面にも問題がないことを確認した。
 当面は中部地方から部品を運んで組み付けをする。将来的にはエンジン改良などに合わせ工場を拡張するなどし、部品製造も手掛ける。東北の企業からの部品調達も強化する方向だ。
 トヨタ東日本本社のある宮城大衡工場が製造する「カローラ」への供給も検討している。カローラについては、早ければ来秋にもHVモデルが発売される見通し。
 トヨタは東北での部品の現地調達率アップを目指している。新美篤志副社長はエンジン生産に触れ「主要部品を含め、いい製品があれば積極的に取り入れたい」と話す。
 エンジン工場はトヨタとしては国内5カ所目、東北では日産自動車いわき工場(いわき市)に続いて2カ所目。今回の新工場は2008年4月に計画が発表されたが、同年秋のリーマン・ショックを受けていったん凍結され、11年7月に計画再開が決まった。

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