トラック野郎1万人が文太さん追悼電飾葬

11月28日に死去した菅原文太さん(享年81)をしのび、全国の長距離トラック運転手が駆けつける追悼セレモニーが大みそかに行われることが2日、分かった。主演映画「トラック野郎」シリーズに撮影協力した装飾トラック(デコトラ)団体が主催する。会場となる群馬県内の河川敷に、撮影で菅原さんが乗ったトラック「一番星号」も運ばれる。関係者は、1万人以上が集まると予想している。
 セレモニーを主催するのは、デコトラ運転手の親睦団体「全国哥麿(うたまろ)会」(全国35支部、会員数約5000人)だ。毎年大みそかに群馬県太田市にある新上武大橋の利根川河川敷でカウントダウンイベントを開催してきたが、今年は菅原さんの追悼セレモニーが行われることが決まった。田島順市会長(66)は「感謝の気持ちです」と話す。
 カウントダウンは毎年300台以上のトラックが集結し、運転手の家族やデコトラファンも含め5000人以上が集まる。いわば「トラック野郎のお祭り」だが、田島会長は「菅原さんの追悼セレモニーを行いますから、今年は1万人以上集まると思います」と予想した。
 当日は、菅原さんの「トラック野郎」の勇姿をおさめた遺影を飾った献花台が設置され、黙とうなどを行う。滋賀県内で保管され、整備もした「一番星号」も展示される。撮影で菅原さんが乗ったデコトラだ。かがり火がたかれる会場に、菅原さんと相棒役の愛川欽也(80)が歌った主題歌「一番星ブルース」が流れる中、全国のトラック運転手が菅原さんをしのぶ。
 全国哥麿会は「トラック野郎」第1作の撮影開始をきっかけに、東映の呼び掛けで74年に誕生した。初代顧問は菅原さんだった。撮影に使用するデコトラの手配や、今年5月に死去した鈴木則文監督(享年80)らスタッフの取材に全面協力した。運転手たちが、東京・大泉の東映撮影所に招かれ、菅原さんと一緒に昼食を楽しんだこともあった。今年8月には鈴木監督の追悼セレモニーも行った。
 75~79年まで公開された「トラック野郎」シリーズは菅原さんの代表作の1つ。人情味があってユーモアあふれる主人公や、電飾と極彩画で飾られた長距離トラックが魅力的に描かれ、デコトラブームが起きた。田島会長は「40代以上の運転手の多くが影響を受けています。訃報を聞き、みんな残念な気持ちでいっぱいです」と話した。【松田秀彦】

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