トルコ地震のエネルギー「阪神大震災」の22倍、最大4mの横ずれ…集合住宅が連鎖的に倒壊か

死者数が3万5000人を超えたトルコ南部の地震は、21世紀で世界6番目に犠牲者の多い地震となった。地震のエネルギーは1995年の阪神大震災の20倍以上で、内陸で起きた地震としては最大級とみられることもわかってきた。

トルコ南部の都市アンタキヤの地震発生前の衛星画像。画像の中央部に集合住宅が密集している(昨年12月、米マクサー・テクノロジーズ社提供)© 読売新聞

 米地質調査所によると、最初の地震の規模はマグニチュード(M)7・8、その約9時間後にM7・5の余震が起きた。東北大などの分析では、最初の地震のエネルギーは阪神大震災の約22倍。日本の気象庁の震度に換算すると、一部で最大の震度7相当の強い揺れが起きていたという。

 地表の断層のずれ幅も大きかった。国土地理院が、宇宙航空研究開発機構(JAXA(ジャクサ))の地球観測衛星「だいち2号」の観測データをもとに分析したところ、阪神大震災の約4倍にあたる最大約4メートルの横ずれが生じていた。

 人口の多い地域が強い揺れに見舞われたことも、大きな被害につながったとみられている。

 東京工業大の和田章名誉教授(耐震建築)は、米マクサー・テクノロジーズ社の人工衛星が地震前後に撮影した、トルコ南部の都市アンタキヤの画像を分析した。5階建ての集合住宅が多数横倒しになった地域があるが、もともと建物同士の間隔が狭く密集していたため、連鎖的に倒壊した可能性があるという。

 理科年表によると、今世紀の地震による死者・行方不明数は多い順に▽ハイチ(2010年)31万6000人▽スマトラ沖(04年)22万7898人▽パキスタン(05年)8万6000人以上▽中国・四川(08年)6万9227人▽イラン・バム(03年)4万3200人。今回の地震はこれらに次ぐ6番目となった。

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