NTTドコモは5月16日、AI(人工知能)を活用した音声対話サービス「my daiz(マイデイズ)」を5月30日にリリースすると発表した。アプリを起動して「今日の天気は?」「『dポイント』残高を教えて」などと話し掛けると回答し、ユーザーの日常生活をサポートする機能を持つ。ユーザーのスケジュールや行動を学習し、仕事が終わる時間の天候や交通情報を先読みして伝えることも可能だ。
契約する携帯事業者を問わず利用可能で、「my daiz」と話し掛けると起動する。アプリをダウンロードすると待ち受け画面に出現するオリジナルキャラクターをタップすることでも起動できる。
天候情報、ルート案内、ポイント残高の通知、アラームの設定、地域行政情報の受け取り、電話の発信――といった基本的な機能は無料。さまざまな機能を実現するスキルを「メンバー」と呼び、これを追加することでサービスを拡張できる仕組みだ。
ユーザーの利用データを踏まえた「先読み通知」機能を利用する場合は月額100円(税別)が必要。現行の対話サービス「iコンシェル」の契約者は、料金体系を変えずに「my daiz」に移行できる。
音声対話サービスは米Appleの「Siri」、米Amazon.comの「Amazon Alexa」、米Googleの「Google Assistant」など競合がひしめくが、コンシューマビジネス推進部の芦川隆範部長は「当社はキャリア(携帯電話事業者)ならではの知見を生かし、プッシュ通知やUI(ユーザーインタフェース)をスマホに最適化した。ユーザーが自然に対話したくなる仕様にした点で他社異なる」と自信を見せる。
多彩なパートナー企業と連携し、競合と差別化
「dポイント」のほか、「dショッピング」「dゲーム」「dヘルスケア」など23種の自社サービスとも連携。キーワードを伝えると商品を検索してカートに追加する、希望のジャンルを伝えるとゲームの詳細ページを表示する、健康に関する相談をすると最適なコラムを表示する――といった用途にも対応する。
日本プロサッカーリーグ、ぐるなび、ヤマト運輸など33社のパートナー企業・自治体とも提携。「鹿島アントラーズ、勝ってる?」と聞くと「前半を終えて1-0です」などと戦況を教えてくれる。「赤坂のイタリアンを予約して」と頼むと、「こちらのレストランはいかがでしょうか」と候補を表示。店舗を選択し、人数と希望時間帯を伝えると予約できる。宅配便の配送状況を聞くことも可能だ。
芦川部長は「多彩なパートナー企業と連携したことも競合との差別化要因だ」と強調する。パートナー企業は2020年までに150社に提供する計画という。
競合各社はAIスピーカーも展開しているが、ドコモは開発する予定はないという。ただ、「APIはオープンにしているので、『ドコモ向けのスピーカーを作りたい』というパートナー企業があればぜひお願いしたい」(芦川部長)としている。
吉澤和弘社長は、2018年度(19年3月期)はさらなる成長に向けて「dポイント」会員の強化に注力する方針を打ち出している。吉澤社長は「『my daiz』もdポイント強化に向けた取り組みの1つ。パーソナルなデータをしっかりと蓄積して、サービスの促進に応用していきたい」と話している。