ドコモ「新料金プラン」誰が得する? 通信量少ない人ほどプラス、マメな買い換えはマイナスに

6月1日から携帯電話の通信料を最大で4割値下げする新料金プランを発表したNTTドコモ。新プランの導入で、最大4000億円分の顧客への還元となるという。ただ、端末代金と通信料金が分離されることで、端末を買い替える際の価格は上がる公算が大きい。どのような利用法がお得になるのか。

 「端末購入にかかわらず、従来よりお得に利用できる」。15日に東京都内で記者会見した吉沢和弘社長は新プランに自信をのぞかせた。

 データ容量の少ないプラン「ギガライト」は、1ギガの場合、2年の継続契約で月2980円(税別)。3人(回線)以上の家族がドコモと契約していれば1000円割引となり、現行より4割程度安くなる。また3ギガ、5ギガのプランは値下げ幅がそれぞれ最大3割、2割となる。

 30ギガのデータ通信ができる大容量プラン「ギガホ」は月6980円(税別)で、家族の割引を利用すれば最大3割安くなる。

 ITジャーナリストの三上洋氏は「通信量の利用が少ない人ほど得になるプラン。6月以降端末代金が高くなるので、従来プランのように2年ごとの端末購入をし、かつ通信量を多く利用するような人は損になることもあるのではないか。今後は端末を長く使った方がお得になる可能性がある」と説明する。端末の購入を考えている人には、5月末までに従来プランを契約して端末を購入するという選択肢もあるとした。

 ドコモはこの料金プラン導入で、最大4000億円の収入減が見込まれるが、政府が、端末の購入代金と通信料金を切り離した「分離プラン」の義務化を進めているのを先取りした形だ。さらには10月、楽天が携帯事業に本格参戦する。顧客の囲い込みのためには待ったなしの状況にあった。

 それでも、値下げ後の料金はデータ通信容量が少ないプランでKDDIと同水準、大容量プランだと1ギガバイト当たりの料金がソフトバンクの方が安い。auとソフトバンクはドコモの発表を受け、対応を検討する予定だというが、さらなる値下げ競争が加速するか。

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