NTTが4日発表した2010年4~12月期連結決算は、本業のもうけを示す営業利益が前年同期比12.4%増の1兆653億円だった。グループの稼ぎ頭であるNTTドコモが端末調達価格を低減したことなどで558億円の増益としたのが主な要因で、固定通信事業のNTT東日本・西日本の増益も寄与し、2ケタの営業増益を確保した。
売上高にあたる営業収益は0.2%増の7兆5426億円、最終利益は9.4%増の4583億円。四半期開示を始めた05年3月期以降では初めて、4~12月期での増収増益を果たした。4~12月期の通話による音声収入は2192億円減の3兆2041億円だったのに対し、光サービスなどのIP(インターネット・プロトコル)系収入は1713億円増の2兆4877億円だった。11年3月期通期の業績予想は変更しない。
光サービスの4~12月期の契約純増数(新規契約から解約を差し引いた数)は約147万件。特に東日本で苦戦しているが、11年3月期通期の目標とする210万件は据え置いた。
NTTグループは昨年、南アフリカを本拠とする情報技術(IT)大手の「ディメンション・データ」や米ITサービス企業の「キーン」を相次ぎ買収するなど、海外展開を加速させている。
同日の記者会見で、三浦惺(さとし)社長は「今年度の海外売上高の目標である40億ドルは確保できる見通しだ。来年度も、倍増の80億ドルはいくだろう」との見通しを示した。