新型コロナウイルス感染防止のため、群馬県内でも外出自粛ムードが高まる中、車に乗りながら食べ物を購入できるドライブスルーのサービスや、家庭でできるDIY(日曜大工)の道具などの商品の人気が上昇している。一方で、客足が減っている店舗もあり、流通業界では感染拡大への懸念が強まっている。
国道17号沿いにあるマクドナルド前橋荒牧店(前橋市)。訪れた車が列を作り、ドライブスルーを利用してハンバーガーなどを注文する光景がよく見られる。
日本マクドナルドの広報担当は「利用者が3月後半から増加している」と説明する。
セキチュー(高崎市)が展開するホームセンターでは、感染防止のためマスクやハンドソープなどを買い求める客が多く、品不足が続く。消毒液などを入れるスプレー容器なども売れている。
このほか、DIYの道具や園芸用品、家庭でも楽しめるバーベキューセットなどの人気も上昇。今後の品不足に備えてか、ペット用の餌を大量に買い求める客も多いという。
とりせん(館林市)が展開するスーパーでは、保存が効くパスタやラーメン、カップ麺、レトルト食品などが人気。学校の臨時休校も続いているため、冷凍食品などは品不足にならないよう数量制限をして販売している。
感染防止のため、飲食店、スーパーや百貨店などでは、従業員のマスクの着用や消毒液での手洗いはもちろん、カートや買い物かご、エレベーターのボタンの消毒、試食販売の中止など細心の注意を払っている。しかし、買い物客の外出自粛は大きな悩みの種だ。
高崎高島屋(高崎市)ではバレンタイン商戦のシーズンまでは売れ行きが順調だったが、感染拡大の影響で今月から土日祝日の営業時間を短縮し、平日と同じく午前10時~午後7時とした。東京など7都府県への緊急事態宣言の発令から一夜明けた8日以降、衣料品を求める客が激減。全体的に客足が遠のいたという。
担当者は「当面は感染拡大防止のため最善を尽くす」としている。