米国の有力誌ナショナルジオグラフィックによる2020年に訪れるべき旅行先「ベストトリップス」の冒険部門にこのほど、「東北」が選出された。
同誌は例年、都市、文化、自然、冒険の4部門で世界各地の計25カ所をピックアップ。東北は今回、日本で唯一選ばれ、旅行雑誌「ナショナルジオグラフィック トラベラー」の最新号で紹介されている。
東北を「20年東京五輪・パラリンピックが開催される東京から3時間以内に訪問できる」「金メダルにふさわしい最高の未知のトラベルワンダーランド」と評価。原生林や峡谷、火口湖、1000年の歴史を持つ寺社、由緒ある祭りなどの存在を挙げた。
東日本大震災からの再生のシンボルとして八戸市-相馬市に整備された全長約1000キロの長距離自然歩道「みちのく潮風トレイル」、安比高原(八幡平市)などのスキーリゾート、日本海を望む露天風呂で知られる黄金崎不老ふ死温泉(青森県深浦町)といった場所を具体的に薦めている。
東北は昨年、世界的に人気の旅行ガイドブック「ロンリープラネット」による20年のお薦めの旅行先「ベスト・イン・トラベル2020」でも、訪れるべき地域の3位に選ばれた。
東北観光推進機構によると、2誌は欧米の旅行者らに影響力があり、選出を海外の旅行博などで紹介すると反応がいいという。機構の担当者は「一連の選出や東京五輪などを契機に、東北ブランドの確立や訪日外国人旅行者(インバウンド)の受け入れ環境整備を進めていく」と話す。