ナッツリターン問題でマカダミアナッツ“バカ売れ”

 大韓航空の趙顕娥(チョ・ヒョナ)前副社長(40)が自社機に搭乗した際、客室乗務員の、マカダミアナッツの提供の仕方に激怒して搭乗機を引き返させた「ナッツリターン問題」を受け、韓国国内のオンラインショップで売り上げが20倍に跳ね上がるなど、マカダミアナッツ需要が高騰する珍現象が起きている。ソウル西部地検は17日、航空法違反や業務妨害の容疑で趙氏の取り調べを開始した。
 世界的騒動の中心にあるマカダミアナッツをめぐり、摩訶(まか)不思議な珍現象が起きている。
 韓国最大のオンラインショップ「Gmarket」では現在、マカダミアの売上高が今月第1週から20倍にジャンプアップ。同じくネットショップ「Coupang」では完売状態に。早期の在庫確保を希望するコメントは100件を超えた。
 突然の高まりを見せたマカダミア需要には、海外市場も熱視線を注ぐ。約700軒の農園を持つハワイマカダミアナッツ協会のジョン・クロス会長は「どんな形でも宣伝になるのはうれしいね」とホクホク。「マカダミアは米国ではハワイや西海岸以外では知られていないから、東部や中央部でも有名になったら供給しきれないね」。さらには、業者を経営するリチャード・シュニッツラーさんは「確かにマカダミアは銀の皿に盛るべきなんだ。高級品だからね。だから、騒動が起きたのも分からないでもないんだよ」と笑いながら語っている。
 ジョークのタネになる一方で、深刻な事件として立件化が進んでいる。ソウル西部地検は航空法違反や業務妨害の容疑で同地検に出頭した趙氏の取り調べを開始。同日中に逮捕手続きに入る可能性がある。出頭直前に記者団に囲まれた趙氏は、質問に顔を伏せて答えず「すみません」と4回繰り返した。
 さらに、騒動発生時に搭乗機から降ろされたサービス責任者に今月8日、韓国国土交通省が事情を聞いた際、大韓航空の常務が同席していたことが新たに判明。責任者が「趙氏には落ち度はなかった」と説明するよう会社側が監視するのが目的とみられ、許可した国土交通省に対し「会社の隠蔽工作に加担した」との非難が噴出している。

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