ナノテラス民間利用開始 仙台発の産業創出後押し 市が支援パッケージ発表

仙台市は9日、東北大青葉山新キャンパス(青葉区)で民間利用が始まった次世代放射光施設「ナノテラス」の利用促進策として、専門家による事前相談や測定関連の補助金を柱とする支援パッケージを発表した。世界水準の新拠点誕生に合わせて知見や費用面をサポートし、仙台発の産業創出や商品開発を後押しする。(1・3面に関連記事)

 利用対象は国内に事業所や工場を置く法人と、東北6県と新潟県の公設試験研究機関。事前相談は大学研究者ら放射光の専門家から、測定に関するアドバイスを無料で受けられる。

 測定関連の補助金は大学や研究機関、公設試験場から測定・分析・解析の支援を受けるための費用を補助する。補助率は対象経費の2分の1で、1社当たりの上限額は100万円。採択予定数は20件程度。

 支援パッケージは、市が取得した2033年度までの施設利用権(年間2000時間)を地元企業や市への進出企業に利用してもらう「ナノテラスシェアリング2000」の一環。

 市は国内にある既存の放射光施設で実施していたトライアルユース(事例創出)事業もナノテラスに切り替え、公募を開始した。募集期限は5月17日。対象は国内に事業所を置く中小企業で、書類審査を経て10件程度を選定する。事業の委託上限額は150万円。

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