ニトリ、2年ぶり値下げ…最大40% 生き残りかけた価格競争

大手家具チェーンのニトリは28日、家具やインテリア用品など867品目を30日から全店で10~40%値下げすると発表した。景気低迷や消費税増税、電気料金の値上げなどを見据え、低価格戦略で節約ニーズを取り込むのが狙いで、値下げは約2年ぶり。
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 政府・日銀はデフレからの脱却を模索するものの、大手スーパーや外食産業でも値下げの動きが広がっており、生き残りをかけた価格競争が一段と激しさを増しそうだ。
 値下げの内訳は家具389点、インテリア用品434点、季節用品44点。このうち、1990円の「こたつ敷布団」は40.2%引き下げて1190円に、3万9900円の「3人用ソファ」は37.6%引き下げて2万4900円とする。
 10月に九州、近畿の約50店舗で実験的に値下げしたところ、売上高の押し上げ効果があり、全国への拡大を決めたという。原材料の見直しに加え、外部委託生産の商品を自社開発に切り替え、コスト削減を図る。
 都内で会見した似鳥昭雄社長は「消費動向は厳しく来店客数が減っており、値下げを再び宣言すべきだと考えた。顧客は安くて品質が良い商品を期待している」と述べ、対象品目を今後拡大する考えも示した。
 同社は2008年5月から10年10月にかけて約3カ月ごとに計11回、累計4300品目を平均15~40%値下げした。ただ、値下げを重ねるほど客数や売上高の押し上げ効果が薄れ、ここ2年間ほどは値下げを見送っていた。
 今回の値下げでも効果が限定される可能性があるものの、似鳥社長は「リスクとは思っていない。日本は米国に比べればまだ物価は高く、デフレは悪いことではない」と強調した。
 景気の先行きが不透明感を増す中、値下げは流通、外食などで広がりつつある。イオンは6月末に約1200店舗で食品など約1000品目を最大30%値下げし、ダイエーや西友も大幅な値下げを実施している。吉野家ホールディングスは「牛丼並盛り」を既存店より130円安い250円で提供する新型店舗を実験的に試み、展開の拡大も探っている。(金谷かおり)

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