ネコうっとりマタタビスプレー 岩手大「依存性なし」研究成果を生かし商品化

ネコとマタタビの関係解明に挑んでいる岩手大の宮崎雅雄教授(分子生体機能学)と大学院生上野山怜子さん(26)らの研究チームの成果が、ネコ用リラクセーションスプレーとして商品化された。マタタビの成分がたっぷり入り、タオルなどに吹き付けると、ネコが幸せそうになめたり、顔や体をこすり付けたりする「マタタビ反応」を見ることができる。

体への影響や依存性なし

 研究チームは2021年以降、マタタビに含まれる化学物質「ネペタラクトール」が蚊を寄せ付けず、多幸感に関わるネコの神経系を活性化させることなどを突き止めてきた。

 動物病院向け除菌剤などを製造販売する「Nrf2(ナーフツー)」(東京)の藤田祥文社長が研究に注目。両者で商品開発を進めた。商品名は「ララペレッティー ミー」。Nrf2が9月28日に発売した。

 スプレーの原料となるマタタビの葉は、ネペタラクトールなど有効成分の含有量が最も多い夏に収穫し、乾燥させた後にエキスを抽出した。新鮮な葉よりも乾燥した葉の方がマタタビ反応が長くなるという。

 商品化に向け、スプレーの安全性も慎重に調べた。マタタビの有効成分をネコに与えた後も、ストレスがあると増える成分などの血中濃度の測定値は通常と大きく変わらなかった。最長で3年間研究に参加したネコの肝臓や腎臓の機能に問題はなく、依存性も確認されなかった。

 宮崎教授は「マタタビの加工品は多くあるが、安全性を裏付けた研究はなかった。ネコをリラックスさせたい時に使ってほしい」とPRする。

 スプレーは28ミリリットル入りで1000円。大手通販サイトなどで購入できる。

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