ネスレ日本(神戸市)は8日、ココア味の麦芽飲料「ミロ」の販売を2021年3月まで休止すると発表した。11月中旬から前年比で7倍の注文(数量ベース)が続き、供給計画を上回ったことで出荷が追いつかなくなった。健康志向の高まりで、30~40代の親世代と子供が一緒に飲むケースが増えているという。
休止するのは主力の「ミロ オリジナル」(240㌘、410円)など全3種類。ミロは牛乳に混ぜて飲む粉末状の商品。新型コロナウイルスの影響で家族で過ごす時間が増えたことで、今年7月ごろ需要が急増。子供向けのイメージが強いが、大人の飲用もインターネットの口コミで広がった。一部商品の販売を9月末にいったん休止。11月16日に発売を再開したが、予想を上回る需要に対応できなかった。
鉄やビタミンD、カルシウムを含む栄養機能食品で「ミロ活」という言葉も生まれていた。「普段とりにくい栄養素があるので飲用が広がったのではないか」(ネスレ日本)とみる。親世代は小さい頃にミロを飲んだ経験があり、子供にも飲ませようと購入が増えたケースもあるようだという。
ミロはオーストラリア発祥のブランド。1934年に誕生し、日本では73年から発売が始まった。日本向けのミロの原料はシンガポールから輸入しており、国内の製造所で詰め替えをしている。