ノーベル化学賞に旭化成名誉フェロー・吉野彰氏 京大工学部出身

スウェーデン王立科学アカデミーは9日、2019年ノーベル化学賞を、京都大工学部出身で旭化成名誉フェロー吉野彰氏(71)ら3人に贈る、と発表した。授賞理由は「リチウムイオン電池の開発」。吉野氏はコバルト酸リチウムを使い、高性能のリチウムイオン電池を開発した。携帯電話やノートパソコンのバッテリーなどIT社会に不可欠な電源となるとともに自動車や住宅にも利用が広がり、エネルギーの効率利用による環境負荷の低減が期待されている。

【写真】伏見稲荷大社で記念撮影する受賞者

 日本のノーベル賞受賞は27人目。化学賞は2010年の鈴木章氏らに次いで8人目。出身や大学の在籍など京都にゆかりのある受賞者は15人になった。授賞式は12月10日にスウェーデン・ストックホルムで開かれ、3人に計賞金900万クローナ(約1億円)が贈られる。
 充電して再利用できる2次電池に、反応性が高い金属リチウムを電極に用いようと多くの研究者が挑戦した。しかし充放電を繰り返すと性能が低下し、熱暴走という安全性の課題もあり、実用化は難しかった。
 吉野氏はノーベル化学賞を受賞した白川英樹氏が発見した導電性高分子のポリアセチレンに着目、2次電池に用いる研究を1981年から始めた。コバルト酸リチウムを正極とする2次電池を83年に試作し、負極を炭素材料に切り替え、現在使われているリチウムイオン電池を85年に完成させた。
 リチウムイオン電池の登場によって、これまで1・5ボルトが限界だった起電力を4ボルト以上まで上げることができ、小型軽量化も実現。91年には量産化され、95年の「ウィンドウズ95」の登場とともに情報通信機器の電源として一気に普及した。電解質にポリマーを用いるリチウムイオンポリマー電池など改良が進み、電気自動車や住宅用蓄電池システムへの利用も進んでいる。

 日本のノーベル賞受賞は27人目。化学賞は2010年の鈴木章氏らに次いで8人目。出身や大学の在籍など京都にゆかりのある受賞者は15人になった。授賞式は12月10日にスウェーデン・ストックホルムで開かれ、3人に計賞金900万クローナ(約1億円)が贈られる。
 充電して再利用できる2次電池に、反応性が高い金属リチウムを電極に用いようと多くの研究者が挑戦した。しかし充放電を繰り返すと性能が低下し、熱暴走という安全性の課題もあり、実用化は難しかった。
 吉野氏はノーベル化学賞を受賞した白川英樹氏が発見した導電性高分子のポリアセチレンに着目、2次電池に用いる研究を1981年から始めた。コバルト酸リチウムを正極とする2次電池を83年に試作し、負極を炭素材料に切り替え、現在使われているリチウムイオン電池の基本形を85年に完成させた。
 リチウムイオン電池の登場によって、これまで1・5ボルトが限界だった起電力を4ボルト以上まで上げることができ、小型軽量化も実現。91年には量産化され、95年の「ウィンドウズ95」の登場とともに情報通信機器の電源として一気に普及した。電解質にポリマーを用いるリチウムイオンポリマー電池など改良が進み、電気自動車や住宅用蓄電池システムへの利用も進んでいる。

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