今年11月に生誕100年を迎える忠犬ハチ公の慰霊祭が8日、出生地として知られる秋田県大館市であった。市観光交流施設「秋田犬の里」にあるハチ公銅像前では、同市と東京渋谷区の関係者ら約50人に加え、4年ぶりに一般の市民も参列し、生前のハチ公をしのんだ。
同市の市民団体「忠犬ハチ公銅像及び秋田犬群像維持会」の主催。同会の富樫安民会長は「渋谷と大館のつながりが継続できたのはハチ公の力が大きい。今後も関係を発展させていきたい」と話した。
式典では、いずれも同市のハチ公生家当主の斎藤良作さん(74)と南小6年佐藤芽衣さん(11)が市民を代表して銅像に花輪をかけ、全員で黙とうした。
佐藤さんは「秋田犬を通じて世界の人と交流できているのはハチのおかげです。これからもみんなの心の中に生き続け、愛されてください」とハチ公宛ての手紙を読み上げた。
ハチ公は1923年に生まれ、東京の上野英三郎東大教授宅で飼われた。上野教授が亡くなった後も、JR渋谷駅前で主人の帰りを待ち続けるようにしていた姿が新聞で紹介されて有名になり、生前に同駅前に銅像が建てられた。