読んで幸せな気持ちになった新聞記事を読者が選ぶ「HAPPY NEWS 2016」に、かつての片思いの相手と47年ぶりに再会する男性を取り上げた河北新報朝刊「瀬峰の女よ 再会もうすぐ」が入賞した。受賞の一報に、関係者から喜びの声が上がった。
記事で紹介されたのは、旧瀬峰町(現栗原市)出身の女性にかつて恋した一関市の佐藤俊朗さん(75)。28歳の時に夜行列車で出会った女性への思いを佐藤さんの知人が河北新報の読者投稿欄に寄稿、それを読んだ女性の兄を通じて本人の居場所が分かり、2人が再会するまでを伝えた。
受賞について佐藤さんは「まさか自分に関する記事が」と驚き、「読んだ人の心に残ったとすれば何より。再会も感動したが、今回の結果も大変光栄」と声を弾ませた。
お相手の戸田アサ子さん(70)=甲府市=は「めったにできない体験をさせてもらった上、反響まであったとは喜ばしい。いい思い出になります」と語った。
「素直にうれしい」と話すのは、エピソードを投稿した栗原市瀬峰の後藤哲弘さん(69)。「携帯電話で簡単につながれる現代では起こり得ないドラマが、読者の心を打ったのだと思う。2人をつないだ新聞に感謝したい」とほほ笑んだ。