ハナコ世代狙い撃ち 来年3月開業「博多阪急」の概要発表

阪急、阪神両百貨店を運営するエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングは10日、来年3月にJR博多駅ビル(福岡市博多区)にオープンする「博多阪急」の概要を発表した。20代OLと50歳前後の女性をメーンターゲットに、「暮らしの学校」と銘打って情報発信から購買につなげる新しい百貨店像を目指す。初年度売上高は、経済情勢を勘案し、計画の400億円から370億円に下方修正した。
 福岡市内で同社の椙岡(すぎおか)俊一会長と、博多阪急の店長となる柳沢興平専務らが会見した。
 博多阪急は、新駅ビル「JR博多シティ」の中で、地下1階地上8階。営業面積は4万2千平方メートル。このうち、1、5~7階のかなりの部分で、昭和63年創刊の雑誌「ハナコ」に影響を受けた50歳前後の女性向け売り場を展開。価格に手ごろ感のある「普段着ファッション」や化粧品を提供する。
 2~3階は「頭からつま先まで全身コーディネート」できる服飾、化粧品を売ることで、20代OLの“たまり場”を目指す。地下1階には「うまちか」として、阪急百貨店の強みである洋菓子類などを充実させる。
 また、西宮阪急(兵庫県西宮市)の成功体験をもとに、料理教室や子育て教室など情報発信機能を強化し顧客獲得をねらうという。
 椙岡会長は「商品を並べる従来型の百貨店では値下げ競争に行き着く。商品は7割ぐらいにし、情報発信やライフスタイルのヒントを提供するスペース・機能を強化した」と天神地域の他の百貨店との差別化を強調。
 また、「現在、改装中の阪急うめだ本店(大阪市北区)でも、同じことをもっと大きなスケールでやりたい。将来的には西日本商圏を意識し、博多と関西の(店舗)連携も考えていく」と述べた。

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