ハロウィーン大騒ぎ テロ標的も 渋谷&ミナミ超厳戒態勢 痴漢も

毎年10月31日に行われる欧州発祥のお祭り、ハロウィーン。大人も子供も楽しめる仮 装イベントとして人気を集める一方で、繁華街でバカ騒ぎする若者らに「近所迷惑だ」とのブーイングの声も上がる。今年は週末とも重なることから、例年以上 の盛り上がりは必至。昨年、大勢の仮装姿の若者でごった返した東京・渋谷、大阪・ミナミのアメリカ村では警察や自治体が異例の厳戒態勢で本番に備えてい る。

通りにあふれかえる人、人、人…。昨年のハロウィーンでは、吸血鬼や血糊を塗ったゾンビ、人気アニメのキャラクターなど思い思いのコ スチュームに身を包んだ若者が渋谷に集結。通行人の行く手を阻み、往来さえ困難な状況が続いた。この宴の後の現場は惨憺たるありさまだったという。

「若者が着替えるために店舗や駅のトイレを占拠し、大量のゴミが無造作に捨てられ、どさくさに紛れて痴漢をする者も出るわで…」とは地元商店主。大阪の繁華街、ミナミのアメリカ村でも昨年、仮装姿の若い男女ら約500人が集まり、らんちき騒ぎとなった。

そもそもハロウィーンは、秋の収穫に感謝し悪霊をはらう古代ケルト人の祭りが起源とされる。米国ではキリスト教の万聖節の前夜祭として、10月31日の夜に仮装した子供が近所を回って菓子をもらうのが一般的だ。

日本では、各地の飲食業界やテーマパークが季節の商戦として盛り上げてきたことから、年中行事の1つとして徐々に定着。経済効果は右肩上がりで、日本記念 日協会の推計では、2011年に560億円だった市場規模は昨年、バレンタイン市場の1080億円を超え、1100億円まで急拡大した。

週末と重なることから不測の事態も予想される今年のハロウィーン。渋谷やミナミではすでに“臨戦態勢”だ。

警視庁では当日、サッカーW杯の試合後に活躍した「DJポリス」を動員し、「サッカー日本代表の試合後に行う警備と同じレベルの警備態勢で臨む」(警視庁幹部)。ミナミでは、大阪府警が100人規模で警戒に当たる方針。テロの標的にもならないよう目を光らせる。

渋谷区では危機管理対策部も対応し、神宮前の神宮通公園に特設テントを6本設営し、着替え用のフィッティングルームを18台用意。仮装メークができるようにイスとテーブルを準備する。

「昨年は多くの方が百貨店などのトイレを着替え場所として使った結果、仮装メークの血糊がこびり付くなどのトラブルが頻発した。今年は去年のようなトラブ ルは避けたい」(危機管理対策部担当者)。発生する放置ゴミの対策のため、1000人以上のボランティアを動員し、翌日の清掃も予定している。

突然のバカ騒ぎには眉をひそめる大人もいるが、こんな声もある。

「街の活性化につながる側面もある。ルールの中で楽しんでもらって街の名物になってほしい」(渋谷の地元商店主)

何が起きるか、魑魅魍魎(ちみもうりょう)たちの宴やいかに-。

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