ジャニー喜多川氏(享年87)の性加害問題が波紋を広げる中、国内の大手メディアや、山下達郎(70)、デヴィ夫人(83)といった関係の深い一部の芸能人たちのジャニーズ事務所への忖度ぶりは相変わらずで、同事務所のタレントたちは以前と変わることなくメディア出演を続けている。 北公次の悲痛な叫び…性被害を「新聞も女性週刊誌もテレビもリポーターも取り上げない」 しかし、性加害に厳しい海外からは、早速「NO」を突き付けられ始めている。 週刊文春が報じたのが、パリ五輪の出場権をかけて今年9月から開催されるバレーボールのワールドカップの一件だ。スペシャルサポーターに内定していたジャニーズ事務所の「Aぇ!group」の関与に、参加国が懸念を示したという。 これにより、今大会にはジャニーズのタレントは一切出演しないことが明らかになったが、外圧でしか状況が変えられない日本の異常体質が、改めて浮き彫りになったといっていいだろう。 「これまでこの大会は約30年に渡って、ジャニーズのグループがスペシャルサポーターを務めてきました。やはり諸外国の性加害へのアレルギーは日本人以上に強く、ある参加国から『ジャニーズのアイドルが大会に関わるなら出場を取りやめる』と強い抗議があったといいます」(スポーツ紙記者) ジャニー氏の性加害について調査している外部専門家の再発防止特別チームが、ジャニーズ事務所を通さずに情報提供できる専用窓口を開設。それに際して、記者会見を開くと発表。一方で、国連の人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会が24日に来日して、性加害の当事者に聞き取り調査を始めることから、性加害騒動は沈静化するどころか、世界的な問題に発展する可能性が高くなった。 「国連が乗りだしたことで、グローバル企業の“ジャニーズ離れ”が加速する可能性が高まっています。国内のメディア、クライアントの多くはタレントに罪はないというスタンスですが、CMに依存している民放への影響はもちろんのこと、NHKもジャニーズとの癒着関係の再考を迫られるでしょう」(芸能ライター) 具体的に見直しが迫られている番組名も上がり始めているという。 ■注目は大みそか紅白の“ジャニーズ枠” 「なにわ男子がメインパーソナリティーを務める『24時間テレビ46』は、あと1カ月に迫っています。ジャニーズのアイドルグループが長年、同番組のメインパーソナリティーを務めてきましたが、性加害を放置し続けたジャニーズのタレントがチャリティー番組で、弱者の味方をすることに納得がいかない視聴者は少なくないといいます。 なにわ男子の道枝駿佑(20)主演のスペシャルドラマ『虹色のチョーク 知的障がい者と歩んだ町工場のキセキ』はすでに撮り終えているため、放送取り止めにする訳にはいかないでしょうが、日テレとしては視聴者を納得させるために頭を痛めているのではないでしょうか」(前出・芸能ライター) ジャニーズへの対処は、NHKにとっても他人事ではない。5月17日放送の「クローズアップ現代」で、「“誰も助けてくれなかった” 告白・ジャニーズと性加害問題」を放送したことで、潮目が変わったと言われる中、注目されるのは毎年一定の“ジャニーズ枠”がある大みそか恒例の紅白歌合戦だ。 「NHKは毎年ジャニーズのアイドルグループを5組ないしは6組出場させているため、紅白は“ジャニーズ祭り”と揶揄されるほど。ジャニーさんの性加害問題を扱ったクロ現は、局の音楽番組のスタッフからの反対を押し切って放送したといわれています。今年はさすがに従来のジャニーズ枠を見直さざるを得ないでしょう」(大手レコード会社役員) ジャニー氏の性加害騒動に火がついてから、早くも半年が過ぎようとしている。テレビ局は果たして体質や倫理観を自ら改善できるのだろうか。 (本多圭/芸能ジャーナリスト)