連休を利用して海外旅行をする人も多いだろう。必携のパスポートが発行国により力の差があることをご存じだろうか。英コンサルタント会社ヘンリー・アンド・パートナーズが出した2017年版「ビザ(査証)規制指数」、いわゆるパスポート・ランキングによると、世界200カ国・地域のうち176カ国・地域のビザなし入国ができるドイツが1位。日本は172カ国・地域で5位だった。
中国は85位。パスポートのみ、ビザなしで行けるのは51カ国・地域で、増えてはきているが日本の3分の1もない。渡航先国が審査して入国を承認するビザに対し、パスポートは国が自国民であることを証明する旅券。パスポートだけで入国を認めるのは「あなたの国を信じているから国民も信じています」と言っているようなものだ。その意味で経済指標では測れない「国の力」を表すといえる。
日本人が国外へ観光に行けるようになったのは1964年。それから国際的な信用を営々と築いてきた。パスポート一つで各国を旅できる意味をもう一度かみしめたい。 (井手)