パチンコやマージャンなどの遊技を主な介護予防として提供するデイサービス施設を事業所指定しないようにできる改正条例案が24日、神戸市議会で可決、成立した。市によると、自治体がこうした施設を規制するのは全国で初めてとみられる。市は今月中にも施行する考え。
改正条例案が対象とするのは、「アミューズメント型」や「カジノ型」と呼ばれる通所介護。パチンコやマージャン、ルーレット、カードゲームなどに特化した設備を備え、長時間遊技をさせる可能性が高い施設を指し、同様の施設は全国的に増えているという。
市が規制する内容は、日常生活から著しく逸脱した遊技▽射幸心をあおり依存性を強める疑似通貨の使用▽賭博や風俗営業を連想させる名称や広告-など。これ らを主体とする介護内容は、高齢者の自立を支援する介護保険法の趣旨に反すると判断し、事業所の開設申請の段階で指定しない。
市は、さい たま市や横浜市のアミューズメント型介護施設を視察。これらの施設では、常時マージャンをしている利用者らがみられたという。すでに事業所指定した施設 が、射幸心をあおるような介護に変更した場合、市は改正条例に基づき指導。聞き入れない場合は介護保険法に基づき指定を取り消す方針。市は「遊技を介護の 一部に取り入れることは否定していない」とした上で、「介護保険の自己負担増にもつながりかねず、不適切な施設には指導していく」としている。