【北川慧一、神沢和敬】パナソニックは1日、国内向け低価格帯デジタルカメラを、自社生産から外部調達に切り替える検討を始めたと明らかにした。自前主義を捨てて、生産を大幅に縮小。今年度の販売目標も前年度実績から2割近く落として事業を再編し、早期の収益改善を図る。
同社の2012年度のデジカメ販売台数は617万台で、世界シェアは約7%を占める。ただ、売り上げでみると、ピークだった07年度の2434億円より約6割少ない1022億円。販売台数の半分以上を、想定価格3万円以下の低価格品が占めるが、スマートフォンの台頭で競争が激しくなって利益率が低下し、赤字の原因になっていた。
同社は15年度までかけて、取り扱い商品数を減らして利益率の向上をめざす。13年度は、低価格帯の販売を3割以上減らす結果、販売目標を500万台に設定する。
このため、現在デジカメを生産している福島工場(福島市)と中国・アモイの工場の生産体制を見直す。低価格品は両工場での生産から、他メーカーからの調達に転換。利益の出るミラーレス一眼など高価格品を強化する方向だ。